【これからの見通し】 ドル円は先つぼみの値動き、レンジ抜け出し待ちに
【これからの見通し】 ドル円は先つぼみの値動き、レンジ抜け出し待ちに
ドル円は107円台を中心に、安定した値動きとなっている。日足のチャートは次第に先つぼまりになっており、いわゆる三角保ち合いの形状を示している。通貨オプション市場での1週間など短期ボラティリティーの低下がこのような相場状況を如実に示している。
新型コロナウイルスの感染拡大が引き続き市場のテーマだが、感染拡大ペースの鈍化が安心感を与えてきている。ワクチン開発などの話題も好材料。一方で、実体経済の落ち込みは顕著だ。市場や当局者らの経済見通しも早期のV字型回復といった楽観論は影を潜めている。新型コロナの影響が長期化することが警戒される状況にもなっている。
先週は世界的に株式市場が持ち直したが、まだ急落相場の半分程度の市場が多い。新興国市場には引き続き警戒感が残っている。今週は、株高の動きが継続するのかどうかが、ポイントとなりそうだ。
先週末にはトランプ米大統領が経済活動再開の指針が発表された。しかし、大統領からは野党・民主党が知事をつとめる州への「解放しろ」といった口撃など、大統領選を意識した不公平な発言もあった。経済活動再開については、各州ごとに軋轢がみられている。このような点に目をつぶり、前向きな面だけを株式市場がみることができるのかどうか。注意しておきたい。
また、週明けの時間外取引で、NY原油先物が急落している。先週末の18ドル台から一時14ドル台半ばまで下落した。資源国通貨やポンドなどへの売り圧力が警戒される。各通貨の保ち合いから抜け出しのきっかけとなる可能性もあり、このあとの海外市場での動向に注目したい。
この後に発表される経済指標は、ユーロ圏経常収支(2月)、ユーロ圏貿易収支(2月)、香港失業率(3月)、カナダ卸売売上高(2月)など。主要な英米などの経済統計の予定みられていない。米金融当局者は来週のFOMCを控えて、ブラックアウト期間に入っている。米主要企業決算発表はIBMなどが予定されている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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