欧州株高で円売り先行も、続かず=ロンドン為替概況
欧州株高で円売り先行も、続かず=ロンドン為替概況
24日のロンドン市場では、円売りが先行したが、その動きは続いていない。WHOが中国の新型コロナウィルスについて非常事態宣言を見送るとしたことで、市場はひと安心。アジア市場では香港株や日経平均が小高く取引を終えた。欧州株も反発スタート。加えて、この日発表されたドイツや英国のPMI速報値がいずれも予想を上回る結果となったことも好感された。為替市場では円売りが先行し、ドル円109.65レベル、ユーロ円は121.27レベル、ポンド円は144.42レベルまで高値を伸ばした。ユーロ円は一時1.1062レベルまで買われた。特に、ポンドは英PMIの発表に先立って堅調に推移していた。ポンドドルは発表後に1.3173レベルまで上伸した。しかし、すぐに売り戻しの動きに転じると、1.3086レベルまで急反落。ユーロドルも連れ安となり1.1031レベルに安値を更新。欧州株は一段高となっているものの、円相場は円高方向に押し戻されている。ポンド円は143.34レベルまで高値から1円超の反落となった。ただ、その他主要通貨での値動きは比較的小幅。市場全体ではリスク回避が一服するムードとなっている。
ドル円は109円台後半での取引。欧州株の上昇スタートとともに序盤に109.65レベルまで買われた。その後は、ポンド相場の上下動をにらんで109.50台へと反落したが、欧州株が一段高となると下げも一服。円安水準での小幅な値動きとなっている。WHOが中国の新型コロナウィルスについて非常事態宣言を見送るとしたことで、市場はひと安心しているようだ。中国当局は、感染中心地域での人の移動を厳しく制限、有名観光地の一時閉鎖など感染拡大措置の措置を打ち出している。
ユーロドルは1.10台前半での取引。序盤に1.1061レベルまで買われたあとは1.1031レベルまで反落した。前日NY市場での売りの流れが継続している。ユーロ円は121.27レベルまで買われたあと、120.84レベルまで反落。ドイツPMI速報値が製造業、非製造業ともに改善したことが買いを誘ったが、ユーロ圏全体のPMIは総合指数が低下しておりまちまちだった。ポンドの上下動に連れた面もあった。ラガルドECB総裁は、米中貿易合意で下方リスクへの言及がトーンダインしたとする一方で、賃金上昇がインフレに結びついていない点を指摘していた。
ポンドドルは1.30台後半での取引。英PMI速報値の発表前からポンド買いが先行した。結果が予想を上回ったことで一段高となり、ポンドドルは1.3173レベルまで高値を伸ばした。しかし、その後は急速に下押しされて、1.31台割れから1.3080レベルに本日安値を更新している。ポンド円も同様の振幅で、143円台後半から144.42レベルまで買われたあとは、一気に143.34レベルまで反落する動き。目立ったポンド売り材料は見当たらなかった。来週30日の英金融政策委員会(MPC)での利下げ織り込み度は5割を下回った。31日の英EU離脱の立法措置は整っており、今後は対米欧との貿易協議に焦点が移る。
MINKABU PRESS 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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