【これからの見通し】値動きが停滞した一週間、週末調整がヒントとなるか
【これからの見通し】値動きが停滞した一週間、週末調整がヒントとなるか
週末を控えた金曜日の東京市場は、まさしく膠着状態となっている。日経平均が小高く推移するなかで、ドル円は108.57から71で、ユーロ円は120.10から27で、ユーロドルは1.1056から68での狭いレンジ取引となっている。この状況は、今週1週間を通じてみられている。米中通商協議への期待と不安が交錯する中で、双方からの具体的な行動を見極めたいとのムードが広がっているようだ。週末を控えた調整の動きが、各通貨ペアのポジションの蓄積具合を見極めるヒントとなるかどうか。
この後の海外市場で発表される経済指標は、ドイツGDP確報値(第3四半期)、ドイツ、英国、ユーロ圏などの製造業および非製造業PMI速報値(11月)、カナダ小売売上高(9月)、米ミシガン大学消費者信頼感・確報値(11月)など。ドイツGDP速報値は2期連続のマイナスを免れたが、きょうの確報値での改定次第ではユーロ相場が反応しそうだ。予想は+0.1%と速報値と同水準が見込まれている。英国の製造業PMIは48.9と前回の49.6から低下する見込み。
注目はNY時間に発表されるカナダ小売売上高となるか。今回発表される9月の数字は、前月比-0.3%、自動車除く前月比-0.1%と予想されており、いずれも前回から引き続きマイナスとなる見込み。今週は、ウィルキンス・カナダ中銀副総裁が「1.75%の政策金利は操作する余地を与えている」と発言したことが、追加緩和の可能性を想起させて、カナダドル売りにつながった経緯がある。市場は、弱いカナダ経済指標結果に敏感に反応する可能性もありそうだ。
金融当局者の講演・イベント関連では、ラガルドECB総裁、バイトマン独連銀総裁、デコス・スペイン中銀総裁などの講演が予定されている。就任間もないラガルド新総裁の講演内容が注目されそうだ。就任直前の講演では、財政政策との組み合わせの重要性を説いていたが、具体的な金融政策変更の可能性について、踏み込んだ発言があるかどうか。現在の課題としては、マイナス金利の副作用と対策、QEが上限に達するとの市場の懸念の払しょくなどに。
MINKABU PRESS 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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