今週のまとめ10月7日から10月11日の週

為替 

 7日からの週は、円安の動きが広がった。米中閣僚級通商協議での部分合意への期待が背景。これに英EU離脱案への合意期待が加わった。中国が国慶節の大型連休明けとなり、10-11日の米中閣僚級通商協議に向けた動きが始動。米国はウイグル自治区などの人権問題に関連した中国企業に対する禁輸措置を発表、ムードが悪化する場面があった。しかし、トランプ米大統領からは中国との合意に前向きの発言があり、市場の期待感が高まった。また、英国とアイルランドの首相が会談を行い、「合意可能な道筋があることで一致した」と報じられた。EU大統領からも来週のEUサミットに期待をつなぐ発言があった。ポンドが急伸し、リスク選好の動きを加速させた。前週の米景気鈍化への不透明感を受けた円高の流れは一変しており、ドル円は108円台、ユーロ円119円台、ポンド円137円台へと円安が進行した。トルコのシリアへの越境軍事作戦や、イラン・タンカーに対するミサイル攻撃報道など地政学リスクもあったが、市場の反応はほとんどみられなかった。


(7日)
 東京市場は、早朝の振幅後に、ややドル買いが優勢に。週明け早朝はドル買いの動き。先週末の米雇用統計が強弱まちまちの結果となり、ISM指数やADP雇用統計から想定されるほど弱くなかったことが材料視されていた。オセアニア市場でドル円は107円台を回復した。しかし、中国政府関係筋として、10日の米中通商協議で中国側としては知的財産権などを含んだ幅広い合意に消極的と報じられ、一転してドル売り円買いに。ドル円は106.57レベルまで反落した。その後の東京市場では106円台後半での揉み合いのなかで、じり高となった。豪ドル/ドルが0.6750割れとなるなど、ドルがしっかりとしていた。ユーロドルは1.09台後半での揉み合い。

 ロンドン市場は、小幅の上下動に終始した。先週末の米雇用統計の発表を通過して、週明けはやや材料難に。東京早朝の一部報道で、今週の米中閣僚級通商協議で中国は知的財産権などを含んだ幅広い合意に否定的、と伝えられた。米株先物が反落し、欧州株も序盤は売買が交錯した。為替市場はリスク回避的な動きを示し、円高やドル高方向への動きをみせた。しかし、欧州株が次第に買い優勢となり、米株先物も下げ幅を縮小。ドル円、クロス円が買い戻される動きとなっている。そのなかで、豪ドルは反発力弱く推移している。ドル円は106円台後半での揉み合い。ユーロドルは1.09台後半、ユーロ円は117円台前半で下に往って来い。ポンドドルは1.23挟みの水準で、ポンド円は131円台半ばを軸に振幅している。豪ドルドルは0.67台前半、豪ドル円は72円付近での推移。

 NY市場で、ドル円は107円台を回復した。一部報道で中国商務省が「中国は米国と合意する用意がある。交渉の複数の部分で両国は合意」と述べたことが伝えられ、買い戻しが膨らんだ。ドル円は一時107.45近辺まで上昇。今週10日の米中閣僚級協議を前に市場は神経質になっている。ユーロドルは後半になって伸び悩んだ。1.10ちょうど付近まで一時上昇したが、上値は重かった。今月末の米FOMCでの利下げ期待が下支えとなっているが、一方で、ドイツ経済の不振や米国によるEU自動車への関税賦課のリスクが重石となっている。ポンドドルは1.22台から1.23台へと一時上昇。ただ、英テレグラフが、ジョンソン首相は合意がなくとも10月31日にEUから英国を確実に離脱させるため法的手段に訴える用意があると報じていた。ブレグジットをめぐる不透明感が続いている。

(8日)
 東京市場は、やや円売りが優勢。ドル円は107.44レベルまで買われたが、前日高値107.45レベルには届かず。その後は107円台前半での揉み合いとなった。米中通商協議に対する期待と警戒感が入り交じるなかで、期待感がやや勝った。中国景気に神経質なオセアニア通貨は堅調に推移。日経平均も強かった。米中通商協議において、中国は部分的な合意を積み重ね、交渉が難航する問題については工程表を作成する用意があると伝わっている。ただ、トランプ米大統領は以前から部分合意に否定的。ユーロ円は117円台後半、ポンド円は132円台前半、豪ドル円は72円台半ばまで強含んだ。豪ドル/ドルは0.67台半ばへと上昇。

 ロンドン市場は、リスク回避の円買いが強まった。東京市場では中国が部分合意を示唆したことが好感されていたが、ロンドン時間に入るとムードが一変した。米国の対中国企業ブラックリストの追加措置に対し、中国側が対抗措置を示唆した。さらに米国は年金基金における中国株投資の制限を検討していると報じられている。中国交渉団はワシントンでの交渉を早期に引き上げる可能性も報じられた。また、英欧ブレグジット交渉にも暗雲が立ち込めている。きょうの電話会談で英独首相からは、合意は不可能だとの発言報道が相次いだ。独首相報道官はコメントを差し控えていた。欧州株は下げ幅を拡大、米株先物は序盤の上昇から下落に転じている。米債利回りは前日比マイナス圏に低下。為替市場では、円買いとポンド売りが強まっている。ドル円は106円台後半、ポンド円は130円台半ばへと高値から約1円50銭の大幅下落となっている。ユーロドルではドル売り優勢、ユーロ円では円買い優勢とまちまちな動きも。

 NY市場は、ドル買いが優勢。10日からの米中閣僚級通商協議を控えて、米中双方の応酬が相次いだ。中国は農産品など部分的な合意を模索しているとも伝わる一方、米側は中国に対して産業への補助金廃止などを求めており、中国側は難色を示した。さらに米商務省が中国の監視カメラ大手や公安機関など28団体・企業をエンティティー・リストに追加した。中国政府によるウイグル族などイスラム系少数民族への弾圧に関与しているとした。米国が中国の人権問題にも踏み出す動きが見られる中、10日の協議への楽観的な見方は後退しているもよう。ユーロドルは1.09台半ばへ下落。ポンドドルは一時1.22台割れ。ドル円は107.30近辺まで反発したが、ダウ平均が300ドル超安となるなかで、上値も重かった。

(9日)
 東京市場で、ドル円は神経質な上下動。107.21近辺まで強含んだものの、先週後半から目立った水準変化はみられる、神経質な動きが続いている。米中通商協議の開始を控えて、積極的な売買は見送られている。米中双方の主張は平行線のままだが、注目度は高く、報道がなされる度に反応している。ドル円に連動してユーロ円は117円台半ば、ポンド円は130円台後半、豪ドル円は72円台前半まで強含み。そのなかで、合意なき離脱が警戒されていることでポン円の戻りは鈍い。ジョンソン英政権の閣僚5人が辞任する可能性があるとの報道がでていた。

 ロンドン市場は、EU離脱関連の報道をめぐりポンド相場が振幅。EUはブレグジットで大幅な譲歩の用意がある、との一部報道で、ポンドが一時急伸。アイルランド国境バックストップに期限設けるとの内容。しかし、その後は否定的な内容が続々と報じられ、ポンドは反落した。英DUPがEU譲歩案を拒否するとしたほか、EUもブレグジット提案について打開策は見いだせていない、としている。英スコットランド裁判所は、英首相にEUに対して離脱延期を要請する文書を提出すること命令する必要ないとの判断を示した。ポンドドルは1.22台で、ポンド円は131円を挟んで約100ポイント幅で上に往って来い。対ユーロではポンド買いからポンド売りに転じた。そのなかで、欧州株は堅調に推移しており、ドル円およびクロス円は全般的に買われている。ドル円は107.40近辺、ユーロ円は一時118円台乗せ、豪ドル円は72円台半ばへと本日高値を伸ばしている。

 NY市場では、ドル円が買い優勢。米中貿易協議への楽観的な雰囲気が広がっており、米株も買い戻される中、リスク回避ムードが後退している。中国は、トランプ大統領が関税引き上げを見送ることを条件に、米国産大豆の購入を現在の年2000万トンから3000万トンに1000万トン増やすことを提案した、と報じられた。また、中国は米国との部分的合意をまだ排除していないとの報道もあった。ドル円は107円台前半から107.65近辺まで上昇。ユーロドルは1.0990近辺まで上昇したが、1.10台乗せには至らず。ポンドは上値重く推移。バルニエEU首席交渉官が「英国の提案は深刻な欠陥を持っており、現段階ではEUも英国も合意する段階にはない」と述べた。ポンドドルは1.22ちょうど付近、ポンド円は131円台前半まで反落。FOMC議事録では、いつ緩和を終了するのか議論が持ち上がったことが示されたが、市場の反応は鈍かった。

(10日)
 東京市場は、ドル円が神経質に上下動。米中通商協議をにらんで、関連材料に敏感に反応した。朝方は、香港紙がきょうの閣僚級協議の地ならしで行われていた次官級協議において前進無し、閣僚級協議も一日で終了見込み、と報じた。警戒感が強まり、米ダウ平均先物が300ドル超の下落、ドル円は107.04近辺まで下落した。しかし、通信社が、劉中国副首相はあすまでワシントンに滞在すると報じたほか、米政府がファーウェイに対する禁輸措置を緩和、一部企業に部品提出認めると報じると、一転してドル買いが強まった。ドル円は107.70台まで上値を伸ばす激しい動きとなった。午後は様子見ムードが広がり、値動きは落ち着いた。

 ロンドン市場は、ドル売りが優勢。ユーロドルが口火を切って上昇し、それにポンドや豪ドルなどの主要通貨が追随した。一方、ドル円の下げは限定的。ドル指数は1週間ぶりの水準に低下した。米中閣僚級通商協議を控えて、このところ続いた緩やかなドル高の動きに調整が入った。ユーロドルは1.09台後半から1.10台前半へ、ポンドドルは1.22台前半から1.22台後半まで一時上昇。豪ドル/ドルは0.67台半ばから0.67後半へと上昇。いずれも本日の高値を伸ばしている。ドル円は107.50近辺から10銭程度の下げにとどまっている。欧州株は方向性がはっきりしない動き。米株先物は東京朝方の下げから前日終値水準へと戻しているが、さらに上値を試す勢いはみられていない。米10年債利回りは1.59%近辺へと小幅に上昇。各市場まちまちの値動き。

 NY市場では、円売りとポンド買いが強まった。ドル円は一時108円台に上昇。きょうから閣僚級の米中貿易協議が始まっているが、様々な報道が錯綜する中、市場には楽観的な雰囲気が広がったようだ。米株も買われ、リスク選好ムードに。ユーロドルはここ数日、上値抵抗となっていた1.10の水準を回復し、一時1.1035近辺まで上昇した。ただ、リスク回避のドル買いが後退したもので、ユーロ自体の強さではないとの見方も。きょうはポンド買いが加速した。ポンドドルは1.22台から1.24台半ばまで大幅上昇。英EU離脱交渉での合意に向けた楽観的な雰囲気が広がっている。ジョンソン英首相とアイルランドのバラッカー首相が会談しており、英EU離脱に関して、「合意可能な道筋があることで一致した」と伝わったことに反応した。今月中に合意が可能との発言もあった。

(11日)
 東京市場は、円売りが優勢。前日に始まった米中閣僚級協議が前向きなムードだったことが好感されている。ドル円は前日の高値付近での揉み合いから上放れて、一時108.13レベルに高値を更新。その後は108円を挟む水準に落ち着いた。ユーロ円は118円台後半から一時119.04レベルまで上昇。ユーロドルも1.10台前半で前日の下げから小反発した。日経平均は246円高で引けた。米中協議は、11日も当初の見込み通り実施される予定。さらにトランプ大統領が11日午後2時45分(日本時間12日午前3時45分)に劉副首相と会談予定を示すなど、協議の前向きな進展を印象付ける状況となっている。

 ロンドン市場は、ポンドが連日の大幅高。トゥスクEU大統領は英国の提案について苦言を呈し、本日中に再び提案がなければEUサミットでのチャンスは無いと発言。しかし、昨日の英首相とアイルランド首相との会談で、合意できるシグナルを受け取った、わずかなチャンスでも使うべきだ、と期待をつないだ。ポンドは乱高下しながらも前日から一段高に。さらに、きょうのバークレイ英離脱担当相とバルニエEU首席交渉官の話し合いが、建設的だったと報じられ、EU報道官からは、我々は合意に向けて作業している、為せば成る、と前向きな発言も。ポンドドルは1.24近辺から1.25台後半へ、ポンド円は134円近辺から136円台へと大幅高。その他主要通貨でも円売りの動きが波及し、ドル円は108円台前半、ユーロ円は119円台半ばへと上昇。ユーロドルは1.10台前半で高値を伸ばしている。きょうは米中閣僚級通商協議の2日目を迎える。部分合意にせよ、進展が期待されており、欧州株や米株先物が大幅に買われている。総じてリスク選好ムードが広がった。

 NY市場は前日に引き続きリスク選好の雰囲気が広がる中、ドル円は108.60近辺まで一時上昇した。8月1日以来の高値水準。閣僚級の米中貿易協議が2日目をむかえる中、合意に向けた楽観的なムードが広がった。終盤になってトランプ大統領の発言が伝わり、「中国とフェーズ1の合意に達した。合意には知財、農産物の購入、金融サービスを含まれる」と述べていた。また、ムニューシン米財務長官は「中国人民銀行との協議は順調に進んでおり、為替の透明性で合意があった。来週の関税引き上げは見送り」と述べた。ただ、きょうの合意にはファーウェイは含まれず、12月の関税についてはまだ決定していないとしている。

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執筆者 : MINKABU PRESS

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