ドル円は下げ一服も上値は重い=NY為替前半
きょうのNY為替市場、ドル円は下げが一服しているものの上値は重い。米小売売上高など、この日の米経済指標が良好だったことや、中国が貿易問題について交渉で解決するスタンスを強調したことから、序盤のドル円は買い戻しも見られていた。
前日は米国債市場で2-10年債が一時逆イールドを示現したことから、景気後退への不安感が市場を席巻した。米株式市場でもダウ平均が800ドル安まで急落するなどリスク回避の雰囲気が強まっていた。しかし、ドル円は105円台に入るとショートカバーの動きも出始めており、底堅さも見られ始めている。
きょうは米株も下げ一服感も出ており、2-10年債の利回り格差も縮小が一服していることから、景気後退への懸念は緩んでいる。ただ、ドル円もリスク回避の円高が一服しているが、なお上値が重い状況に変わりはなく、上昇すると戻り待ちの新規売りが断続的に出るようだ。
ロンドン時間の朝方に106円台後半まで一気に上昇する場面が見られたが、21日線が控える107円台前半を試す雰囲気までは全く見られず、なお下値模索は続いているようだ。
きょうはユーロが軟調。ユーロドルは1.10ドル台に下落する場面も見られた。米経済指標が概ね強い内容となったことや、ECB理事のレーン・アイスランド中銀総裁の発言に反応している模様。レーン総裁はウォールストリート・ジャーナル(WSJ)のインタビューで「9月の理事会では相当程度のインパクトのある刺激策が必要」との認識を示したほか、「刺激策は過小よりも過大のほうがより良い」とも語っていた。9月のECB理事会での追加緩和期待を高める発言ともいえ、市場は敏感に反応しているようだ。
minkabu PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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