一部中国製品への追加関税発動延期でドル円は急速に買い戻される=NY為替概況

 きょうのNY為替市場でドル円は106円台に急速に買い戻された。朝方は105円割れを試す動きが再び見られていたが、急速に買い戻されている。トランプ政権が中国からの輸入品に賦課する予定の10%の追加関税について、一部製品に限り発動を12月15日まで延期すると発表した。米通商代表部(USTR)がウェブサイトで発表。一部は予定通り9月1日に関税が発動される。

 延期になった製品には携帯電話やパソコン、玩具などや日用品が含まれており、新学期から年末商戦にかけての家計の消費に配慮した内容となっている。また、新華社通信によると、中国が米国と2週間以内に電話協議を行うと報じた。中国の劉副首相がムニューシン米財務長官、ライトハイザーUSTR代表と協議を行うと述べた。

 米中対立への懸念が一旦後退しており、ドル円も米株や米国債利回りと伴に買い戻しが強まった。105円割れをトライしたものの、その付近では買い圧力も強かった中で、ショート勢がも一旦断念したようだ。ドル円は105円台前半から107円手前まで一気に買い戻しが強まったものの、香港警察が空港ビルに暴徒鎮圧用の装備を携えて突入との報道も伝わり、その後は戻り売りも見られている。トランプ大統領は、中国は香港との境界に軍隊を進めているとも述べていた。

 一方、ユーロドルはNY時間に入って戻り売りが優勢となった。東京、ロンドンと1.11ドル台の値動きが続いていたものの、NY時間にかけてドル売りの動きが優勢となり、1.12ドル台に上昇していた。しかし、米中関連の報道が流れるとドル買い戻しが強まり、1.11ドル台に再び値を落とす展開。ただ、下押す動きもいまのところ見られず、1.11ドル台後半の水準は維持している状況。

 ユーロドルは1.12ドルを挟んで方向感のない値動きが続いている。米中対立が再び悪化したことに伴い、市場では景気の先行き不透明感も強まっている。景気後退リスクも意識され、FRBの追加利下げ期待がドル安を誘発。しかし、ユーロ圏の景気への懸念も高まっており、イタリアの政局不安もそれに加味されている状況。きょうはドイツのZEW景況感指数が発表され、2011年12月以来の低水準に落ち込んでいる。明日は第2四半期のドイツGDP速報値が発表されるが、マイナス成長が見込まれている状況で、ドル安の流れが出ているものの、ユーロを積極的に買う気にもなれないようだ。

 ドルも買えず、ユーロも買えない中で、ユーロドルは1.12ドル付近で打ち消しあっているようだ。

 NY時間の終盤に入ってポンドドルは1.20ドル台半ばでの推移。ロンドン時間には1.21ドル手前まで上昇する場面が見られた。きょうは英雇用統計が発表になっていたが、4-6月のILO失業率は上昇したものの、雇用者数は予想以上に増加し、賞与を除く週平均賃金は3.9%まで上昇していた。英EU離脱への不安感は強まっているものの英労働市場は力強さを維持しており、英中銀が追加緩和に躊躇している背景を示している。ただ、市場はEU離脱を巡って、ジョンソン首相と議会の行方に焦点が集まっており、英雇用統計を受けたポンド買いは限定的となっている模様。

 明日は7月の英消費者物価指数(CPI)が発表される。コア指数で前年比1.8%が見込まれており、こちらはインフレの落ち着きを示しそうだ。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

出所: minkabuPRESS

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