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【来週の注目材料】米PCEは落ち着いた動きか=米PCE価格指数

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【来週の注目材料】米PCEは落ち着いた動きか=米PCE価格指数

 16日、17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)は今年初となる利下げを決定。年内あと2回の利下げがメンバーによる見通しでも示されました。もっとも大幅利下げ主張が新理事となったミラン氏を除いて見られず、2026年の利下げについても慎重姿勢が目立っています。パウエル議長の会見では、雇用市場について、もはや堅調とは言えないと厳しい状況を認め、利下げサイクルに入ったことを示しました。ただ、物価については幾分高止まりと警戒感を残す形となっています。

 18日、19日の日銀金融政策決定会合では2名の委員が0.25%の利上げを主張。保有ETFの 売却開始も決まり、緩和後退に向けた動きが期待されました。しかし、植田日銀総裁が会見で今後の利上げについての示唆などを行わなかったことで、今後のデータなど次第という見方が広がっています。

 こうした中、26日金曜日に発表される日米の物価統計が注目されています。特に注目は米インフレターゲットの対象である8月の米米個人消費支出(PCE)価格指数です。

 8月の米物価統計は10日発表の米生産者物価指数(PPI)が総合、コア共に前月比予想外のマイナス、前年比も予想を大きく下回る伸びに留まる弱い結果となりました。もっとも11日に発表された米消費者物価指数(CPI)がほぼ予想と一致したことで、警戒感が後退しています。

 PPIのうち、PCE価格指数の算出に利用される項目については、ポートフォリオ管理費、航空運賃などは上昇が見られましたが、医療サービス関連はまちまちながら全般に小幅な伸びに留まっています。

 CPIの内訳をみると、エネルギーが7カ月ぶりのプラスとなりました。AI需要拡大による電力消費の増加や、トランプ政権が推進した大きく美しい一つの法案(OBBB)成立によるクリーンエネルギー導入コスト増加などが押し上げにつながっているとみられ、今後も高い水準での推移が見込まれるとみられています。

 コア部門では財が前年比+1.5%と7月の+1.2%から伸びています。特に中古車が+6.0%と7月の+4.8%から上昇。5カ月連続での上昇です。前月比でも+1.0%と7月の+0.5%から伸びるなど、価格上昇が目立っています。新車も前月比、前年比ともに7月から伸びが強まりました。関税の影響が警戒されています。同じく関税の警戒があるアパレルも前年比で5カ月ぶりのプラス圏。前月比は+0.5%と7月の+0.1%から伸びが強まりました。

 こうした状況を受けて今回のPCE価格指数ですが、前年比+2.7%と7月の+2.6%から小幅上昇、コア前年比は6月と同じ+2.9%予想です。前月比は+0.3%とこちらも7月の+0.2%から伸びるものの、コア前月比は7月の+0.3%から+0.2%へ伸び鈍化見込みです。エネルギー価格の上昇が全体の伸びを支えるも、その他は落ち着いた伸びという印象です。

 予想前後であれば年内あと2回の利下げ見通しは変わらず、2026年も第1四半期中に1回利下げという大勢の見通しが継続しそうです。注目は予想からどちらかに乖離した場合。

 CPIに比べて全体に占める割合が大きい医療関連は、PPIだけでなくCPIでも前月比がマイナス、前年比も伸び鈍化とやや弱い数字となっています。PCE価格指数が予想を下回った場合、年内の連続利下げに加え、来年第1四半期での追加利下げ期待が強まる形でドル売りが見込まれます。日本の数字にもよりますが、日本の利上げ期待が押し上げられ、米利下げ期待が強まるとドル売り円買いに勢いが付く可能性があります。

MINKABUPRESS 山岡

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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