【これからの見通し】米中貿易戦争エスカレート警戒されるなか、今後の各国中銀の行動に注目
【これからの見通し】米中貿易戦争エスカレート警戒されるなか、今後の各国中銀の行動に注目
市場はリスク警戒モードからなかなか抜け出せない状況。昨日の米株式市場はダウ平均が311ドル高で引けるなど反発した。しかし、きょうの中国人民銀が設定した人民元基準レートは1ドル=6.9996元と前日から一段とドル高・元安水準となった。これを受けてドル円やクロス円が下押しされた。中国が農産品輸入の関税割当制度の見直しを計画しているとの東京朝方の報道も警戒感を広げていた。トランプ米大統領のなりふり構わない国益主義の行動が、中国の態度を硬化させる悪いパターンに陥っているようだ。今日の時間外取引で、米株先物はマイナス圏で取引されている。
世界経済の対する不透明感が増すなかで、きょうのニュージーランド中銀金融政策会合では、0.50%利下げと予想以上の大幅利下げとなった。政策金利水準は1.00%となり、前日発表された豪中銀と同水準に並んだ。また、先ほど発表されたインド中銀の政策金利も0.35%利下げの5.40%と、こちらも予想以上の利下げ幅となっていた。一時的には株式市場に好感されそうだが、各国中銀の利下げ競争ともいえる状況は、株式市場などでの過剰流動性、企業負債の過度の増大など今後に不安材料を蓄積することとなりそうだ。中銀本来の経済データ依存の姿勢が変質してきているようで、今後の各国中銀の行動に注目したい。
この後の海外市場では、英ハリファックス(HBOS)住宅価格(7月)、南アSACCI景況感指数(7月)、米MBA住宅ローン申請指数(2日までの週)、ブラジル小売売上高(6月)、カナダIvey購買担当者景況感指数(7月)などの経済指標が発表される予定。原油相場にとっては米週間石油在庫統計が注目される。また、エバンス・シカゴ連銀総裁が朝食会でスピーチを行う予定。明朝にはオアNZ中銀総裁が講演を行う。
その他の材料としては、各国債券利回り低下が続くなかで独5年債入札(40億ユーロ)、米10年債入札(270億ドル)などの結果も注目されそうだ。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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