FOMC受けドル買い 予防的利下げを強調した面も=NY為替後半
NY時間の終盤に入ってドル買いが優勢となっており、ドル円は一時109円ちょうど付近まで上昇する場面が見られた。午後になってFOMCの結果が公表されており、大方の予想通り0.25%の利下げを打ち出したものの、2名のFOMCメンバーが据え置きを主張していたことや、その後のパウエルFRB議長の会見で、今回は予防的利下げであることや、利下げサイクルに入ったわけではないことを強調した面が強かった。
利下げは1回だけではないとも言及し、追加利下げにオープンな姿勢を示しているものの、市場の期待ほどハト派な雰囲気はなかった印象。
なお、上海で開かれていた米中閣僚級協議が終了し、中国の新華社通信によると、双方は米農産品の輸入について議論。経済および貿易問題について率直で効率的かつ建設的な意見交換を行ったと伝えている。次回は9月に米国で行うという。ホワイトハウスもこの報道の類似のコメントを発表していた。
特に波乱もなく、ひとまずポジティブな印象もあるが、市場の反応は限定的でドル円も大きな反応は見られなかった。
109円ちょうど水準が上値レジスタンスとしてなお意識されており、売りオーダーも観測されている。明日以降突破できるか注目される。
ユーロドルは売りが強まり、1.10ドル台に下落。対ポンドでの売りが波及し、序盤から売りが優勢となっていた。ただ、1.11ドル台は維持していたが、FOMCを受けてサポート水準をブレイクしており、1.10ドル台に下落。
この日は第2四半期のGDPと消費者物価指数(HICP)が発表になっていたが、GDPは予想範囲内だったものの、HICPは予想を下回る内容となった。GDPも予想通りだったとは言え、第1四半期からは伸びは鈍化している。ECBは先日の理事会で追加緩和姿勢を強調していたが、それを裏付ける内容ではあった。
市場は9月と12月の2回に0.1%づつの利下げを見込んでいるが、一部からは9月に金利階層化も含めて0.2%の利下げを実施してくるとの見方も出ている。
ポンドは序盤に買い戻しが目立っていた。ポンドドルは一時1.2250ドル近辺まで上昇したが、特に買い材料はなく、合意なき離脱への警戒感は依然として根強い。月末ということもあり、ショートポジションの調整が出ていたものと思われる。ジョンソン英首相の誕生後からポンドが急速に売られ過熱感も高まっていたことから、ショートカバーを入れ易かった面もありそうだ。しかし、FOMCを受けて1.21ドル台に再び下落しており上げを解消している。
minkabu PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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