【これからの見通し】ユーロ売りの動き継続も
ドル円は108円台前半推移が続いている。米中通商協議がライトハイザーUSTR代表らが29日に訪中する形で再開することが報じられ、米中貿易摩擦問題進展への期待感がドル円の支えに。来週のFOMCでの大幅利下げ期待の後退も依然としてドル高を誘う材料となっている。もっとも108円台で積極的にドル買いを進めるには勢い不足。下値しっかり感も上値を追う動きは限定的。108円台前半を中心としたレンジ取引か。
値幅は限定的ながら直近レンジを超えて動きを見せているのはユーロ。ユーロドルは5月31日以来、ユーロ円は1月3日以来の安値圏での推移。明日のECB理事会では、政策金利の現状維持が濃厚。9月から貸出条件付き長期資金供給オペ(TLTRO)が始まることもあり、本来は現状で動きを見せる場面ではない。しかし、直近の欧州景気の鈍化や物価の低迷などもあり、ドラギECB総裁が10月の任期満了までに利下げを実施するとの思惑が強い。今回の理事会でフォワードガイダンスを緩和方向に変更する可能性が指摘されており、ユーロの重石に。
昨日保守党党首選でのジョンソン前外相の勝利が発表され、本日新首相に就任するポンドはもみ合いが見込まれている。ジョンソン氏の勝利はほぼ確定的であったこともあり、同氏の10月末の期限までにEUと合意出来なければ合意なき離脱との方針自体はポンド売り材料も影響は限定的。
minkabu PRESS編集部 山岡和雅

執筆者 : MINKABU PRESS
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