【これからの見通し】明日の米独立記念日控えて薄商いに、円高方向への動きに注意
【これからの見通し】明日の米独立記念日控えて薄商いに、円高方向への動きに注意
前日の海外市場で円高が進行した流れを受けて、きょうの東京市場ではドル円が107.53レベルまで下押しされた。クロス円もともに下落している。日経平均は116円安で取引を終了。上海株は約1%安。NY原油先物は時間外取引で56ドル台と前日海外市場から一段安。いわゆるリスク回避の円高の相場展開となっている。その理由付けとしては、米中貿易戦争の休戦についての懐疑的な見方や、米欧の航空機をめぐる摩擦などが指摘されている。また、昨日の欧州首脳会議で、欧州委員長やECB総裁などの新体制が決定されており、まだ未知数の人事との見方もあるようだ。
この後の海外市場では、あすの米独立記念日を控えて米国では株式・債券市場が短縮取引となる。NY後半にかけて市場流動性が細る可能性があり、値が振れやすい点は留意しておきたい。ただ、ロンドン市場からNY序盤にかけては経済指標発表や金融当局者の講演予定が多く、まずはその内容をチェックしておきたい。
経済指標は、トルコ消費者物価指数(6月)、ドイツおよびユーロ圏の非製造業PMI・確報値(6月)、英非製造業PMI(6月)、米MBA住宅ローン申請指数(28日までの週)、米ADP雇用者数(6月)、米貿易収支(5月)、米新規失業保険申請件数(29日までの週)、米ISM非製造業景気指数(6月)、米製造業新規受注(5月)、米耐久財受注・確報値(5月)、カナダ国際商品貿易(5月)、米週間石油在庫統計など普段よりも多めの発表となる。あすの米祝日で前倒しで発表される指標も含まれている。
注目ポイントは、製造業PMIが弱かった英欧だが、きょうの非製造業PMIではどうか。週末の米雇用統計を控えて、関連指標であるADP雇用者数の伸びが回復するのかどうか。なととなろう。
金融当局者の講演は、ノボトニー・オーストリア中銀総裁、カンリフ英中銀副総裁、ブロードベント英中銀副総裁、ビルロワドガロー仏中銀総裁などが予定されている。昨日のEU首脳会議では新たにラガルドIMF専務理事が次期ECB総裁に指名されており、新体制について現在のメンバーの抱負がきかれるかどうか。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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