ドル円は108円台半ば 明日からのFOMCに注目集まり方向感のない展開=NY為替前半
きょうのNY為替市場、ドル円は108円台半ばで推移している。序盤はドル売りが先行したものの、売りが一巡するとドル買い戻しが出るなど方向感のない展開が見られている。
市場は明日からのFOMCに注目が集まっている。市場は利下げ期待を高める中、FRBは何らかのアクションを見せるものと期待されている。今回のFOMCでは利下げは見送られるものと見られているが、今回はFOMCメンバーの金利見通しなども公表され、その中で年内の利下げを示唆して来るものと見られているようだ。
一方で、市場は過度に利下げを織り込んでいる節もあり、先週末に発表された米小売売上高や鉱工業生産の結果が底堅い米経済を示したことから、市場の期待ほどFRBは利下げ期待を強めてはこないとの見方も出ている模様。
米株の買い戻しが続く中で、ドル円は底堅さを堅持しているものの上値を積極的にトライする動きも見られず、108円台でのレンジ相場が続いている。21日線が109円ちょうど付近に来ており、目先の上値メドとして意識される。トレンドはなお下向きを示しており、109円にかけては売り圧力も強まるようだ。
ユーロドルはNY時間に入って買い戻しの動きが見られたものの、1.1240ドル水準を越えると戻り売りが強まっている。先週後半は1.13ドル台から1.12ドルちょうど付近まで下落した。ただ、21日線が1.1220ドル付近に来ていることもあり、1.12ドル台は維持されている状況。
一部からは、下値ではショート勢による利益確定のショートカバーが出ているとの観測も聞かれる。しかし、FRBの利下げ期待が既に過度に織り込まれている面もあり、ユーロドルを押し上げるまでの力はないとも指摘も聞かれる。
今年に入ってユーロドルは概ね1.11ドルから1.14ドルの間での上下動が続いている。どちらかの方向に明確に抜けない限りはユーロドルは方向感が出づらいとも見られているようだ。
ポンドドルは1.25ドル台半ばまで値を落とす展開。サポートとなっていた1.26ドルを再び割り込んでおり、今後の動きが警戒される。市場は英保守党の党首選に注目しているが、EU離脱強硬派のボリス・ジョンソン前外相がトップを走っている。同氏は合意無き離脱の準備も必要との姿勢を示しており、市場は不透明感を強めているようだ。
米利下げ期待が高まる中で、ポンドドルはボトムアウトへの期待も高まっていたが、どうも上値は重そうだ。
minkabu PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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