為替相場まとめ7月27日から7月31日の週
27日からの週は、円が急騰した。ドル円は163円台から157円台まで急落した。実弾介入実施の観測が広がった。米FOMC、英MPCを終えて、金曜日の日銀決定会合を控えた木曜日のNY時間のタイミングだった。急激な円高について、ベッセント米財務長官は「円は均衡価格を大幅に下回る水準まで行き過ぎている」と円安が行き過ぎているとの認識を示した、週全体では、中東情勢が再び悪化し、原油高が進行するなかで、米FOMC、英MPC、日銀決定会合での金融政策発表が注目された。いずれも政策金利据え置きが発表され、この点については市場コンセンサス通りだった。米FOMCではウォーシュFRB議長会見を受けてドル売りが広がった。市場に対して明確な次回利上げについての言及はみられなかった。市場とのコミュニケーションに疑問符が投げかけられ、米短期債利回り低下とともに長期債利回りは上昇する不自然な反応がみられた。えい中銀では、票割れが6対3と前回から利上げ票が1つ増加した。しかし、声明や英中銀総裁会見ではインフレ低下見通しが示され、ポンドの方向性は定まらなかった、そして、金曜日の日銀決定会合では予想通り政策金利が据え置かれ、植田日銀総裁会見での次回利上げに関する具体的な示唆は得られなかった。ドル円は前日の介入観測を受けた下落から160円台へと買い戻された。週末の海外市場では再び157円台まで急落し、連日の介入実施観測が広がった。NY連銀による為替レートチェックの観測もあり、日米協調の確度が高まった。
(27日)
週明けの東京市場でドル円は、週末に米国によるイランへの空爆停止やイラン側の報復停止が報じられたことを受け、これまでの有事のドル買いが一服してやや上値の重い展開となった。午前中には163.46円まで値を下げる場面も見られたが、根強い日米金利差を意識した円キャリー取引の継続期待から下値では押し目買いが入り、午後は163.50円台を中心に狭いレンジでの小幅な推移に終始した。一方、ユーロドルやポンドドルではドル安圧力がやや優勢となりそれぞれ高値を伸ばしたほか、ユーロ円やポンド円などのクロス円は欧州通貨買いが支えとなって先週の高値を上回るなど、全体的に底堅い動きを維持した。
ロンドン市場では、米国とイランによる双方の攻撃停止報道を受けてNY原油先物が急落し、インフレ圧力の緩和期待から有事のドル買いに巻き戻しが入る展開となった。ドル円は序盤に163.33付近まで安値を広げたものの、中東関連の続報が乏しいなかで163円台半ばへと下げ渋り、狭いレンジでの揉み合いに落ち着いた。高市首相による積極財政や金融市場との対話を重視する発言への市場の反応は限定的であった。また、欧州通貨間では原油安によるエネルギー価格の下落が好感されてユーロ買い・ポンド売りが優勢となり、ユーロ円は底堅い推移となった一方、ポンド円は一時217円台割れへと上値の重い値動きが目立った。
NY市場では、欧州時間からの流れを引き継いでドルの買い戻しが優勢となり、ドル円はロンドン時間の安値から163円台後半へと値を戻した。米国がイランへの攻撃を見送ったことで原油価格が急落し、ドル円も一時戻り売りに押されたが、約40年ぶりの高値圏である164円を意識した下値での強い押し目買い意欲が継続した。今週に控える米FOMCや日銀の金融政策決定会合を前に、市場では追加利上げに対する警戒感やサプライズへの思惑が燻っており、金融政策の手がかりを探る動きが強まった。こうした中、ユーロドルは21日線が上値抵抗として意識されて1.13ドル台へ下落し、ポンドドルも英財政悪化への懸念が重しとなって軟調な展開が続いた。
(28日)
東京市場のドル円は163円台後半での推移となったものの、アジア市場で半導体関連を中心に株式市場で記録的な急落が広がったことを嫌気し、リスク警戒の円買いが強まって上値が抑えられた。前日に163.33円まで下げた反発から朝方はしっかりとした動きを見せたものの、韓国の主要株価指数が急落し、日本でも半導体関連銘柄が大きく値を崩したことが投資家心理を急速に冷え込ませた。このアジア株の急落を受けたリスク回避の動きにより、ユーロ円やポンド円などのクロス円でも売り圧力が強まり、全体として株式市場の動向に強く左右される非常に不安定な値動きとなった。
ロンドン市場では、今週の日銀などの金融政策会合を控えた様子見ムードが基本線となるなか、短期ポジションの調整に伴うドル買いが優勢となり、ドル円は164円をうかがう水準へとじり高の展開となった。欧州株が堅調に推移し、原油先物が一時80ドルを割り込むなど通常であればドル売りを誘いやすい地合いであったが、重大イベントを控えたドルショートの買い戻しがフローを主導した。日本時間夕方には熊本で震度7の強い地震が発生し、反射的な円売りが入りやすい状況となったがその影響は限定的であり、クロス円は方向感を欠く振幅にとどまった。ユーロドルやポンドドルは小幅に値を下げ、総じてドル相場主導の展開となった。
NY市場で、ドル円は163円台後半での推移となり、狭い範囲での小動きが続いた。序盤には一時163.65円付近へ下落する場面もあったものの、終盤にかけては再び163円台後半へと買い戻された。日本の当局による為替介入への警戒感が強く意識されている一方、米FOMCや日銀の金融政策決定会合を控えて積極的な売買は手控えられたが、164円をうかがう底堅い動き自体はしっかりと維持された。また、ドイツ経済が第2四半期に小幅なプラス成長を維持したとの連銀月報が伝えられたこともあり、ユーロ円は買いが膨らんで186.60円付近へ上昇するなど、クロス円の一部では堅調な値動きが見られた。
(29日)
東京市場のドル円は、朝方に163.80円台を付けてしっかりとした動きでスタートしたものの、夜に控えた米FOMCを前のポジション調整や、アジア市場での急激な株安を受けたリスク警戒の円買いが重なり、午後には一時163.28円まで下落した。韓国の半導体大手の決算が市場予想に届かずに株価が急落し、連れて日経平均株価も大きく値を下げたことが投資家心理を悪化させ、安全資産としての円買いを強く誘発した。その後、株安の動きが一服してアジアの主要株価指数が下げ幅を縮小すると、ドル円もそれに伴って163.50円台へと買い戻されたが、イベントを控えて上値の重さが強く意識される展開となった。
ロンドン市場では、東京市場で見られた急速なドル安や株安の流れが一服し、ロンドン勢の参加とともにドルが買い戻される展開となった。中東情勢に関する新たなヘッドライン報道をきっかけにNY原油先物が再び83ドル台へと上昇し、米10年債利回りも上昇に転じたことがドル買いの大きな圧力となった。ドル円は東京時間の安値から163.70付近へと反発し、ユーロドルやポンドドルも一時それぞれ1.14台や1.33台に乗せる場面があったものの、ロンドン時間に入ると買いが続かずに再び値を消す動きとなった。日本時間深夜に迫った米FOMCの政策金利発表を控え、積極的なポジション構築は手控えられ、全体として方向感を欠く狭い範囲での振幅となった。
NY市場では、ドル売りが優勢。午後に米FOMCの結果が発表され、政策金利は大方の予想通り据え置かれたものの、一部の委員が利上げを主張して反対に回ったことや、その後のウォーシュ議長の会見で慎重な姿勢が示されたことを受け、市場の利上げ期待が後退してドル安が急速に強まった。ドル円は発表後に一時163円台前半へと急速に下落した。このドル全面安の流れを受けてユーロドルは1.1465ドル付近へ大きく上昇し、ユーロ円も追随して187円台半ばへ値を伸ばした。一方、ポンドドルは1.33ドル台後半へ上昇し、ポンド円も218円台半ばを維持するなど、明日に控えた英中銀の金融政策委員会の結果発表を前に各通貨でドルに対する買い戻しや調整が優勢となった。
(30日)
東京市場のドル円は、前日の米FOMC後におけるドル売りの流れを継続し、午前中には一時163.21円まで安値を更新する動きとなった。しかし、ドル売りが一服すると次第に下値で買い戻され、午後に入るとこの日夜に控えた日銀金融政策決定会合の結果発表を前に、行き過ぎた円高・ドル安に対する警戒感も手伝って円売りがやや優勢となった。これによりドル円は163.64円まで上値を伸ばした。ユーロドルは一時1.1475ドルまで上昇した後に利益確定の調整売りが入り、ポンドドルも英国の金融政策発表を前にポジション調整の売りが出て上値の重い展開となるなど、主要通貨はイベントを控えて神経質な値動きとなった。
ロンドン市場では、総じて根強いドル売りの流れが主導する展開となった。東京市場からロンドン朝方にかけては、前日の米FOMC後のドル売りに対する自律的な調整や中東情勢の緊迫化に伴う原油価格の上昇を背景にドル買い戻しが優勢となっていたが、ロンドン勢の本格参加とともに流れは再びドル売りへと回帰した。さらに、欧州時間に入ると突如として強力なドル売りと円買いが持ち込まれ、ドル円は163円台前半から一気に162円台前半へと急落した。この急落局面ではクロス円も軒並み大きく値を崩したが、その後は急速に買い戻されて荒い値動きとなり、市場の緊張感が一気に高まる不安定なロンドン市場となった。
NY市場では、円が急速に買われた。ドル円は163円台から一気に158円割れへと一時急落する波乱相場となった。市場では日本の当局による為替介入が実施されたとの観測が急速に強まり、円先物の取引量が急増するなど介入時によく見られる特徴的な商いとなった。前日からのドル安基調がさらに加速する中、ユーロドルは1.15ドル台を回復して重要なテクニカルラインを上抜けし、買いシグナルが点灯した。一方、ポンド円は英中銀の金融政策委員会で予想通りの金利据え置きとなったものの、事前の予想以上にタカ派な票割れや総裁の発言内容を受け、激しい乱高下と方向感の定まらない神経質な値動きに終始した。
(31日)
東京市場は、円売りが優勢。前日の円買い介入観測による急落に対する自律反発や、日銀金融政策決定会合の通過を受けてドル買い・円売りが優勢となった。日銀会合では政策金利の据え置きなど事前の想定通りの結果となり、材料出尽くしからドル円は一時160.88円まで上昇した。ただ、上値買い一巡後は15時30分からの植田日銀総裁会見を前にポジション調整が入ると、160.30円台まで押し戻された。クロス円もドル円に連れ高となり、ユーロ円は185.17円、ポンド円は216.32円まで上値を伸ばしたが、午後は対ドルでの欧州通貨安も手伝ってやや軟調に転じた。ユーロドルやポンドドルは前日のドル安に対する反動から調整含みの展開となったものの、1.15ドル台や1.34ドル台を維持し、底堅く推移している。
ロンドン市場では、ドル円が再び急落した。日銀決定会合は政策金利据え置きで無風通過し、ドル円は160.88まで上昇。植田総裁会見は利上げ方向の温度を示したが早期利上げについて具体的言及はなく、ロンドン序盤は160円台で神経質に推移した。その後、突然160円割れから158.55まで急落し介入観測が再燃。ただちに買い戻しが入り160.10台まで戻した。片山財務相、三村財務官は介入観測にノーコメント。30日の介入規模は約8.45兆円との報道もあり、市場は介入とのせめぎ合いに入っている。クロス円も円高方向に振れ、ユーロ円182.73、ポンド円213.45まで急落後に反発。ドルストレートは小動きで、ユーロドル1.15台前半、ポンドドル1.34台半ばを中心にややドル高気味となっている。
NY市場でドル円は、本日も戻り売りが強まり、157円台まで急落。日本の当局による追加介入への警戒感が高まり、ドル円は前日同様に急速に下落した。日米協調の動きも観測される中、本日はNY連銀が米大手銀に対してレートチェックを実施したとの報道が流れ、追加介入への警戒感を一段と高めている。NY連銀は少なくとも米大手銀2行に対し、ユーロ円相場のレートチェックを実施したとの報道も流れていた。ユーロ円は181円台まで急落。
執筆者 : MINKABU PRESS
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