ドル円、方向感なく上下動 米国とイランの交渉継続への期待は変わらず=NY為替概況
ドル円、方向感なく上下動 米国とイランの交渉継続への期待は変わらず=NY為替概況
きょうのNY為替市場、ドル円は159円を挟んで方向感なく上下動した。基本的に週初からの流れに変化はなく、米国とイランの交渉継続への期待感が広がっている。ドル円は、160円からは一旦離れているものの、下押しする動きまではまだ見られず、上値期待は温存されている。交渉が進展しイラン情勢が緩和されたとしても、高水準の原油価格が当面続くとの見方から、円売り圧力もしばらく続くとの見方も根強い。
ワシントンを訪問中の片山財務相がベッセント財務長官との会談後に「必要ならば断固たる措置も取る」と述べたことで、ドル円は急速に下落する場面が見られた。これまでよりも1段強いトーンではあったことで市場も敏感に反応していたようだ。ただ、一時的な動きに留まり、動きが一巡すると戻している。
日銀が早期利上げに慎重との見方もドル円を下支えしている。日銀は今月の決定会合で公表する展望レポートで、インフレ見通しの大幅引き上げを検討との観測報道が流れていたが、入札が好調で日本国債の利回りは逆に低下。そのような中で、円を買うインセンティブは乏しいとの指摘も出ている。いまのところ、短期金融市場では今月の利上げ確率は約30%と、先週金曜日の55%から大きく低下している状況。
ユーロドルも、1.17ドル台後半での方向感のない展開が続いた。前日まで7連騰しており、さすがに本日は上げ一服感が出ていたようだ。ただ、下押す動きもなく、リバウンド相場は継続している。一方、ユーロ円はドル円に追随した値動きをしており、一旦187円台前半まで下落したものの、NY時間にかけて187円台半ばに上昇。こちらも最高値圏での推移は続いている。
堅調なユーロだが、アナリストはイラン紛争の不確実性から、ユーロは下落リスクがあると指摘している。米国とイランの和平合意が成立するかは不透明で、ユーロは引き続き下押し圧力を受ける可能性があるという。
ユーロドルは、米国とイランの新たな協議への期待から1.18ドル台を回復していたが、この水準を持続的に上回るには和平計画に関するより明確な情報が必要だが、その明確さが欠けていると指摘。現在、リスクは下方に傾いているように見えるが、交渉で具体的な進展があれば、週末までに1.1850ドルを上回る可能性はあるとも述べている。
ポンドドルは買いが優勢となり、1.35ドル台後半に上昇。小幅ながらも本日で8日続伸。ポンド円も上値追いが続いており、215円台後半まで上昇。2008年以来の歴史的な高値を更新している。
米国とイランの協議への期待からドル安が優勢となっていることも去ることながら、英中銀の利上げ期待の高まりもポンドドルを支えている。ただ、一部からは、投資家が織り込んでいる英中銀の利上げ予想は過度に見えるとの指摘も出ている。
短期金融市場では9月までの利上げを完全に織り込んでおり、年末までに2回目の利上げが実施される確率を40%としている。投資家はエネルギー価格高騰を背景に英国のインフレが上昇する可能性を懸念しているが、半面、労働市場の弱さがインフレ上昇を抑制する可能性があると述べている。「英国の雇用市場に明らかに見られる余剰を考えると、インフレの二次的影響は比較的抑制されると考えている」という。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。