ドルが期待ほど上昇していない3つの要因=NY為替
いまも機能している安全な逃避先の取引がある。その1つがドル。イラン紛争を巡る懸念が再び金融市場を覆う中、ドルは再び上昇。トランプ大統領が昨夜、イランを今後数週間で極めて激しく攻撃すると明言したことを受けて原油が急騰。ただ、株式はもちろんのこと、金や米国債といった伝統的に安全な逃避先とされる資産までも売られている。それでもドルは上昇。紛争開始以来の上昇幅は約2.4%に達している。
もっとも投資家の中には、「紛争の先行き不透明感を考慮すれば、ドルはもっと上昇しても良いはず」との見解も出ている。これに対してアナリストは、ドルが期待ほど上昇していない理由として考えられる3つの要因を挙げた。
1、米政策リスクプレミアムの継続
ドルはこの1年間、トランプ関税やFRBの独立性を脅かす行動などによって下押しされてきた。こうした動きが国際関係を緊張させ、米国への信頼を揺るがし、投資家のドル離れを助長させている。それはドルの安全な逃避先としての地位を弱めている可能性がある。
2、米金利見通しによる下支えの欠如
ECBと英中銀は、紛争によるエネルギー価格ショックへの対応として、必要に応じて利上げを行う準備があると、明確にシグナルを発している。一方、FRBは金利を据え置いたまま、インフレと雇用への影響を慎重に見極める構えだという。これはドルにとっては重し。
3、早期終結への根強い楽観論
米軍の作戦が2-3週間で終結する可能性に触れたトランプ大統領の最近の発言は、早期終結の可能性を裏付けている。ただし、ホルムズ海峡再開に向けた明確な計画はまだ示されていない。
USD/JPY 159.61 EUR/USD 1.1538
ドルインデックス 100.02
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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