【今週の注目材料】英秋季予算案発表
【今週の注目材料】英秋季予算案発表
今週の注目材料の一つに、英秋季予算案の発表があります。
26日21時半に英国のリーブス財務相が予算案を議会で公表します。財政赤字拡大を受けてどのような形でファイナンスを行うのかがポイントとなります。一時示していた所得増税の方針については、昨年の総選挙で与党労働党は増税しないことを公約として勝利したこともあって、有権者や労働党内からの反発が大きくなるとみられ、見送ることが発表されています。ただ、今年の4-9月期だけで財政赤字が998億ポンドと3月に英予算責任局(OBR)が予測した926億ポンドを大きく上回るなど、赤字が深刻化しています。これ以上の赤字拡大へは厳しい目が向けられそうです。
2022年に当時のトラス財務相が発表した財源無き大規模減税の発表を受けたポンド安と英国債利回り急騰というトラスショックの記憶も新しいことから、今回の予算案発表への警戒感が強まっています。
所得税、国民保険、付加価値税の引き上げを行わないことが公約となっていたため、年金優遇の見直し(非課税の引き出し額に上限を設定)、燃料税の減税廃止、相続税の見直し、キャピタルゲイン税の引き上げなどが見込まれています。英予算責任局が最新の見通しで財政不足分が従来の最大350億ポンドから200億ポンド程度まで縮小したとの見通しを示したため、ある程度落ち着いたものになるとの見方がありますが、所得増税見送りで余裕がない状況には変わりなく、市場が英国の状況をどこまで悲観的に見るかに寄ってポンドの動きが決まりそうです。
MINKABUPRESS 山岡
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。