米求人件数を受けてドル売りが強まる ドル円は一時147円台に下落=NY為替概況
米求人件数を受けてドル売りが強まる ドル円は一時147円台に下落=NY為替概況
きょうのNY為替市場はドル売りが強まり、ドル円は一時147円台に急落した。この日公表された7月分の米求人件数を受けてドル安の反応が強まっている。米求人件数は718万人と下方修正された前回分の735万人から減少した。一部では増加するのではとの見方も出ていただけに、ネガティブ・サプライズが大きかったようだ。
ドル円は発表前の148円台後半から一気に147円台後半に一時下落。この発表を受けて短期金融市場では、9月FOMCでの利下げの確率を95%まで高めている。急上昇していた米国債利回りも上げ幅を縮小している。
今週は米雇用統計を始め、重要指標が目白押しでFRBの利下げ期待を正当化するか市場は注視している。その意味でも本日の弱い米雇用指標に敏感に反応していたようだ。
ユーロドルは買いが優勢となり、1.16ドル台後半まで一時上昇。フランスの政治的混乱にもかかわらず、ユーロドルは底堅い動きを見せており、21日線付近での推移を続けている。一方、ユーロ円はドル円の下げにつられて売りが強まり、172円台半ばに下落している。チャート的には2日連続で上髭を付けており、やや気掛かりな動きも見られている状況。
ただ、ユーロ圏のインフレがECBの目標である2%近辺を維持しており、ECBの追加緩和の余地が限られ、スタグフレーション懸念も相対的に小さいことがユーロに優位性を与えているようだ。
ポンドドルは買い戻しが優勢となり、1.34ドル台半ばに上昇。一方、ポンド円は一旦199円台後半まで上昇したものの198円台に値を落とす展開。ドル円が下落したことで、ポンド円も追随している。21日線の水準は維持しているものの、200円の水準は重い状況に変化はない。
本日はベイリー英中銀総裁ら英中銀中銀委員が議会証言に出席していたが、ベイリー総裁は利下げペースがこれまで想定されていたよりも緩やかになる可能性を示唆していた。「利下げ自体は行われるものの、政策当局者はこれまでの利下げペースを必ずしも維持しないかもしれない」と述べていた。「今後の追加利下げをいつ、どの程度の速さで実施できるかについては、かなり不確実性が高まっている」とも議員らに語った。
現在、短期金融市場では年内の利下げの確率を五分五分で見ている状況。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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