ドル円、143円ちょうどまで一時下落 ISMは需要急減と仕入れ価格上昇が加速=NY為替
その後、為替市場のドル安の動きは続いており、ドル円は一時143円ちょうど付近まで下落する場面が見られた。この日発表のADP雇用統計とISM非製造業景気指数が弱い内容となったことで、ドル安が加速している。
特に5月のISM指数が49.9と基準の50を下回り、縮小圏に入ったことがドルを圧迫している。縮小圏入りは昨年6月以来で、景気の先行き不透明感を強める内容。製造業はこれまでも弱さが示されていたものの、サービス業は底堅く推移していただけにネガティブ・サプライズではあった。
ISM指数は新規受注が大きく低下し、需要急減が示されたほか、関税引き上げが波及し、仕入れ価格が上昇を加速させ、2022年11月以来の高水準となった。サービス業者がコスト上昇に直面していることを示し、在庫も上昇。企業が過剰在庫を認識していることも明らかとなった。
需要急減を受けて、サービス業者は適切な人員水準の見直しを迫られそうだが、雇用指数は上昇し、雇用は限定的ながら増加傾向にあることが示された。
ただし、8つのサービス業種で活動の縮小が報告されている。
*ISM非製造業景気指数(5月)23:00
結果 49.9
予想 52.0 前回 51.6
新規受注 46.4(52.3)
雇用 50.7(49.0)
入荷遅延 52.5(51.3)
仕入価格 68.7(65.1)
輸出 48.5(48.6)
輸入 48.2(44.3)
()は前回
USD/JPY 143.14 EUR/USD 1.1434 GBP/USD 1.3578
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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