【これからの見通し】ドル相場はドル安圧力根強いが、短期的な上下動もあり目先は混とん きょうは米ADP雇用統計
【これからの見通し】ドル相場はドル安圧力根強いが、短期的な上下動もあり目先は混とん きょうは米ADP雇用統計
ドル相場は短期的な上下動で方向性が曇っている。ただ、トランプ関税の影響で世界的な成長鈍化が見込まれるなか、元凶である米経済への不透明感が根強いドル売り圧力となっている。トランプ関税関連の報道に市場は飽き飽きしており、トランプ氏の不規則な発言に対する市場反応は一時的なものに留まるようになってきているようだ。
米景気鈍化が懸念されるなかで、逐一発表される米ファンダメンタルズ指標をチェックする必要があろう。今週金曜日には最新の米雇用統計が発表される。これに向けて発表された指標を確認すると、月曜日のISM製造業景気指数は48.5と市場予想49.5には届かず小幅の上昇にとどまった。昨日発表された米JOLTS求人件数は739.1万件と予想外に前回から増加した。かなり強弱感が交錯している。そして、本日発表される米ADP雇用統計では雇用増が11.4万人と前回の6.2万人から増加する見込みとなっている。ただ、前回が大幅な鈍化となったあとでは回復は限定的と評価されそうな予想数字となっている。
この後の海外市場で発表される経済指標は、上記のADP雇用統計のほかに、米国ではMBA住宅ローン申請指数(05/24 - 05/30)、非製造業PMI・確報値(5月)、ISM非製造業景気指数(5月)など。ISM非製造業景気指数は52.0と前回の51.6から小幅に上昇する予想となっている。
カナダでは労働生産性(2025年 第1四半期)に続いてカナダ中銀政策金利(6月)が発表される。市場予想は据え置き2に対して25bp利下げ1の比率に割れている。いずれの結果となっても事前の織り込みに対する調整が入りそうだ。声明などの内容を確認したいところだ。
このあとの欧州・ロンドン時間にはフランス・ドイツ・ユーロ圏・英国などの非製造業(サービス業)PMI確報値が発表される。大きな改定がみられなければ、市場反応は限定されそうだ。
発言イベント関連では、クックFRB理事、ボスティック・アトランタ連銀総裁などが討論会に参加する。カナダ中銀金融政策発表の後にはマックレム加中銀総裁の記者会見が開かれる。NY午後には米地区連銀経済報告(ベージュブック)が公表される。米週間石油在庫統計が発表される。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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