ドル円一段安で152円半ばへ下落 円買いとともにドル売り圧力加わる=ロンドン為替概況
ドル円一段安で152円半ばへ下落 円買いとともにドル売り圧力加わる=ロンドン為替概況
ロンドン市場では、ドル円が一段安。東京朝方に発表された実質賃金の上昇や赤沢再生相が「足元はインフレの状態という認識、植田日銀総裁と齟齬ない」と発言したことなどが、市場での日銀追加利上げ観測を高めた。さらに、ロンドン時間に入ると米債利回りの低下とともに、ドルが全面安となっている。ドル円は153円の大台を割り込むと安値を152.50台まで広げている。ドル安の動きで、ユーロドルは1.03台後半から1.04台前半へ、ポンドドルは1.24台後半から1.25台半ばへと上昇。クロス円は売買が交錯も、ユーロ円は一時158円台後半に安値を広げた。ユーロ対ポンドではユーロ売りが優勢で、ポンド円は191円台割れには至らず191円台前半から半ばで推移している。ユーロ売りの面もみられており、ECBの賃金推計で今年第4四半期の伸びが1.5%に大幅減速することが示されていた。欧州株や米株先物・時間外取引は売りに押されている。金先物は安全資産買いが続き、最高値を更新。米中貿易戦争の行方を不安げに見守る状況となっている。
ドル円は152円台後半での取引。東京朝方の154.46近辺を高値に、その後は売られ続けている。日本の実質賃金が予想以上の伸びたことや、 赤沢再生相が「足元はインフレの状態という認識、植田日銀総裁と齟齬ない」としたことが円買いを誘った。153円でいったん下げ止まったが、ロンドン時間には米債利回り低下でドル全面安となり152.55近辺まで一段と下落している。
ユーロドルは1.04台前半での取引。東京市場では1.0380付近と前日NY終値付近での揉み合いが続いたが、ロンドン時間に入ると買いが優勢になっている。米債利回りの低下と歩調を合わせて一時1.0430近辺まで高値を伸ばした。ユーロ円は東京市場で160.31近辺から159円台割れまで一時下落。その後159.50付近まで買い戻されるも、ロンドン時間には再び158.85近辺まで安値を広げた。対ポンドでもユーロは軟調。ECBの今年第4四半期の賃金推計が1.5%と昨年同期間の5.3%から大幅減速することが示されていた。
ポンドドルは1.25台前半での取引。ユーロドルとともに上昇しており、1.2464近辺を安値に一時1.2550近辺まで買われている。ポンド円は円買いに押されて東京朝方の192.78近辺を高値に東京昼過ぎには191.00近辺まで下落した。その後は大台割れには至らず191円台前半から半ばでの取引となっている。ユーロポンドは0.8326近辺から0.8307近辺まで軟化しており、ユーロ安・ポンド高の動きとなっている。明日の英金融政策委員会(MPC)では25bp利下げが大方織り込まれている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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