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ドル買い一服もドル円は158円台回復 米PPIは安心感もたらす=NY為替概況

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ドル買い一服もドル円は158円台回復 米PPIは安心感もたらす=NY為替概況

 きょうのNY為替市場、ドル買いは一服していたものの、ドル円は158円台を回復した。本日の12月の米生産者物価指数(PPI)は予想下回り、インフレ再燃を懸念していた市場に安心感をもたらした。為替市場もドル売りで反応し、ドル円も一時157円台半ばに値を落としていたが、反応は一時的で、動きが一巡すると買いが膨らんだ。

 米株式市場が買い戻されたこともあって円安が下値をサポートし、ドル円は158円台に上昇したが、158円台に入ると売り圧力も根強い。ただ、下値の底堅さは確認できていることから、明日以降160円を目指す展開になるか注目される。

 米PPIの項目の一部は、FRBがインフレ指標として重視するPCEデフレータに反映される。エコノミストは本日のPPIの数値を分析し予測を更新。複数の米大手銀のエコノミストは現在、12月のPCEコアデフレータは前月比で0.2%程度になると予想。11月は0.1%だったが、そこから加速を見込んでいる。一部のFOMC委員は追加利下げの前に、前年比のPCEコアデフレータが2%目標に近づいて減速するのを確認したいと述べていた。しかし、今回12月分はそれを確認できない可能性が高そうだ。PCEは1月31日に発表予定。なお、明日は米消費者物価指数(CPI)が発表される。

 ユーロドルは1.03ドルちょうど付近に買い戻された。前日は1.01ドル台まで一時下落していたが、買い戻しが活発化し、前日のローソク足は長い下髭を付けていた。その翌日の本日は陽線となっていることから、チャート的にはリバウンドも期待されそうだ。しかし、ユーロに何ひとつ良い話はない。

 ただ、米大手銀のアナリストは短期的なユーロの見通しについて、市場は悲観的過ぎると指摘している。ユーロ安・ドル高を予想するポジション、つまりユーロ下落を見込むポジション、およびユーロに対する悲観的な見方が極端な水準に達しているという。

 米国の関税リスクや経済問題でユーロは短期的にさらに下落する可能性はあるが、それ以降の見通しは明るいという。米貿易政策が比較的穏やかになるか、ドイツで財政刺激策が実施されれば、ユーロにとってポジティブ・サプライズに可能性があると述べている。同アナリストは2025年末までにユーロドルが1.10ドルまで回復すると予測しているようだ。

 一方、ポンドドルは買い戻しを強める気配までは見られず、1.22ドル台を回復したものの、それ以上の上値追いは限定的となっている。本日も英国債利回りは上昇していたが、この状況は英国の財政状況に課題もたらす可能性があるとの指摘が出ている。利回り上昇により、3月の春季予算案発表を前に英財政状況が悪化する可能性があるという。

 英財政の持続可能性に対する市場の懸念が、最近の政府借入コスト急上昇の一因となっているが、市中金利と英国債に関する市場予想が現状のままであれば、春季予算案における財政余地が完全に消滅する可能性があるという。英政府は財政の信頼性を維持するために市場の懸念に対処する必要があるとも指摘している。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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