【これからの見通し】日米金融政策会合は予想通り、金利差縮小観測は後退 次は英中銀
【これからの見通し】日米金融政策会合は予想通り、金利差縮小観測は後退 次は英中銀
昨日NY終盤に年内最後の米FOMC会合の結果が発表された。政策金利は予想通り25bpの利下げとなった。そのなかで金利見通しにおいて、来年に利下げ回数が4回から2回へ減少した。さらに、パウエル議長会見では利下げペースについて慎重さが示された。タカ派的な金融緩和姿勢としてドル買いが広がった。ドル指数は年初来高値を更新した。
今日の焦点は日銀と英中銀となる。日銀は政策金利の引き上げを見送った。先週からの関係者リーク報道で市場のセンチメントは利上げから見送りに傾いていたが、一部には利上げ観測も残る状況だった。ドル円は発表を受けて154円台半ばから155円台半ばへと急伸した。クロス円の上昇も伴っており、円売りが強まっている。決定会合では田村委員が唯一利上げを提案した。インフレ上昇リスクの高まりを指摘しており、ファンダメンタルズ的には利上げの環境は整っているとみていたようだ。
このあと日本時間午後3時30分からは植田日銀総裁会見が始まる。市場では次回の利上げ時期を探ることとなろう。明言すればかなりサプライズとして円買い反応が広がりそうだ。見通しをうやむやにすれば、日米金利差縮小観測が後退することで、根強い円安やドル高の動きが継続しそうだ。
ロンドン市場では年内の主要中銀金融政策発表の締めとして英金融政策委員会(MPC)が政策金利を発表する。市場では大方が今回の政策金利据え置きを予想している。直近の英ファンダメンタルズ指標は強弱まちまちとなっている。月次GDPが予想外の2か月連続でのマイナスとなった。英ILO雇用統計では週平均賃金の伸びが加速した。昨日の英インフレ指標では、一部に予想を若干下回る結果がみられたものの、前回からはインフレが一段と進行していた。増税を含んだ労働党政権の予算案には不安感もあり、英経済がスタグフレーションに陥らないのか不安定な状況にある。英中銀の各メンバーでどのように投票が分かれるのかが注目される。据え置きが優勢とみられているが、タカ・ハトに三分割される可能性も一部には指摘されよう。
この後の海外市場で発表される経済指標は、ドイツGfK消費者信頼感調査(1月)、フランス企業景況感(12月)、ユーロ圏経常収支(10月)、スウェーデンとノルウェーの中銀政策金利、米実質GDP(確報値)(2024年 第3四半期)、米フィラデルフィア連銀景況指数(12月)、米新規失業保険申請件数(12/08 - 12/14)、米景気先行指数(11月)、米中古住宅販売件数(11月)、対米証券投資(10月)、メキシコ中銀政策金利(12月)などが予定されている。
発言イベント関連では、日英中銀関連のほかには米5年インフレ連動債(TIPS)入札(220億ドル)が実施される。EU首脳会議、プーチン露大統領年次記者会見などが行われる。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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