【これからの見通し】トランプトレードひとまず一服、米FOMC、英MPCなどを経てドル買い定着するか
【これからの見通し】トランプトレードひとまず一服、米FOMC、英MPCなどを経てドル買い定着するか
4年に一度の米大統領選はトランプ氏の勝利に終わった。市場では熱狂気味にドル高・株高・米債利回り上昇の動きがみられた。これが今週一番のトピックスとなりそうだ。ただ、きょうはドルに売り戻しが入っており、ひとまずトランプ相場は一巡する格好となっている。まだ米下院の共和党の過半数獲得は確定していないが、今後はトランプ色に染まった米政治運営となってゆきそうだ。為替市場では、これからどの程度の期間でドル買い主導の展開が続くのかを確認してゆくこととなろう。
きょうは、通常モードであれば大きなイベントとなる米英の政策金利が発表される。この後のロンドン市場ではまず英金融政策委員会(MPC)の結果を確認したい。市場予想の大勢は25bp利下げを確信している。各メンバーの票割れをチェックしておこう。そして、今回はスーパーサーズデーとなり、インフレ見通しなどが発表される。また、 ベイリー英中銀総裁、ラムスデン英中銀副総裁、ロンバルデリ英中銀副総裁などが記者会見を開く。市場では次回12月の利下げについては五分五分とみており、中銀総裁などからの示唆があるのかどうかを確認したい。労働党政権になってから初の予算案が発表されており、その影響に関するコメントがあれば注目されそうだ。
米FOMCについては、大統領選の影響で日程が1日後ずれしている。市場は25bp利下げを完全に織り込んでいる。前々回の米雇用統計が強い結果となり、その後の一連の米経済統計は米景気が底堅いことを示した。市場での50bp大幅利下げ観測は大きく後退しており、しばらくは25bpの通常ペースでの利下げ継続が見込まれている。ただ、直近の米雇用統計が弱かったことが波乱材料になっている。ハリケーンと大規模デモの影響との説明が広がっており、弱い数字は「ノイズ」であったとの評価が優勢だ。ただ、これについては次回の米雇用統計の結果もみたいところだ。パウエルFRB議長会見では、雇用情勢を中心とした米経済に関する認識や、共和党政権の下での政策変化の影響に関する発言をチェックしたいところだ。
この後の海外市場で発表される経済指標は、上記のほかにもドイツ鉱工業生産指数(9月)、ドイツ貿易収支(9月)、ユーロ圏小売売上高(9月)、スウェーデン中銀政策金利(11月)、ノルウェー中銀預金金利(11月)、メキシコ消費者物価指数(CPI)(10月)、米非農業部門労働生産性指数(速報値)(2024年 第3四半期)、米新規失業保険申請件数(10/27 - 11/02)、米卸売在庫(確報値)(9月)などが発表される。
発言イベント関連では、英米金融当局者にほかにもECB当局者の予定が詰まってる。ストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁、シュナーベルECB理事、エルダーソンECB理事、クノット・オランダ中銀総裁、エスクリバ・スペイン中銀総裁、レーンECBチーフエコノミストなどの講演やイベント参加が予定されている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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