ポンド売り強まる、英中銀総裁の利下げ発言で 円安の動きは一服=ロンドン為替概況
ポンド売り強まる、英中銀総裁の利下げ発言で 円安の動きは一服=ロンドン為替概況
ロンドン市場では、ポンド売りが強まっている。ロンドン早朝に英ガーディアン紙がベイリー英中銀総裁が金利引き下げに「もう少し積極的になる」可能性を示唆と報じたことが材料視された。短期金融市場では次回11月会合での利下げを織り込み、12月の追加利下げ観測も高まっている。これまで英国は根強いサービスインフレを受けて利下げの動きが遅れるとの見方が優勢だったが、一気に市場センチメントが崩された格好。ポンドドルは1.32台半ばから1.31付近へ、ポンド円は195円付近を高値に192円台前半まで急落。ユーロポンドも2年来の大幅上昇となった。ただ、現時点ではポンド買いポジションの投げ売りの面もあり、今後のインフレ動向などに影響されそうだ。10月16日発表の9月インフレデータが注目される。ポンド安が目立つ中で、円相場やユーロ相場は方向性がハッキリとしない。ドル円は147円台は定着せず、146円台前半から147円付近で売買が交錯。ユーロドルは1.10台前半で東京市場からは下に往って来いの値動き。ポンド円の急落を横目に、ユーロ円は162円を軸とした上下動にとどまっている。利下げ期待の英株以外は欧州株や米株先物は軟調。原油高など中東リスクの影響は残っている。また、明日の米雇用統計を控えて調整の動きも散見される。
ドル円は146円台後半での取引。東京早朝の146.29近辺を安値に、東京午前に147.24近辺まで高値を伸ばした。しかし、147円台は定着せず反落。ロンドン朝方には再び146.30付近まで下げた。ロンドン時間に入ると下げ渋りも147円には届かずの値動き。
ユーロドルは東京早朝の1.1049近辺を高値に売られ、東京午後には1.1025近辺まで下落。しかし、その後は買い戻しが優勢となり、1.1040台と下に往って来いの相場展開になっている。対ポンドでのクロス取引にユーロ自体の方向性はみえにくい。ユーロ円は東京午前の162.49近辺を高値に、ロンドン序盤にかけては161.38近辺まで売られた。しかし、その後は再び162円台に乗せている。そのなかで、対ポンドでは一貫してユーロ買いが継続している。ユーロ圏非製造業PMI確報値が上方改定されたが、そのこと自体に対する反応は特段みられなかった。
ポンドドルは1.31台前半での取引。東京早朝の1.3274近辺を高値に、その後は一方通行で売られている。ロンドン早朝に英紙がベイリー英中銀総裁が金利引き下げに「もう少し積極的になる」可能性を示唆と報じたことを受けて、ポンドが急落。ロンドン市場では安値を1.3106近辺まで広げた、そのまま安値付近で推移している。ポンド円は東京午前につけた195.18近辺の高値からロンドン市場では192.24近辺まで、3円近い大幅下落となっている。ユーロポンドは0.8324近辺を安値に、0.8422近辺まで上昇。100ポイント近い上昇は2年ぶりの大幅なものとなっている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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