【これからの見通し】ポンド相場がにわかに活気づく、早期利下げ観測に傾斜か
【これからの見通し】ポンド相場がにわかに活気づく、早期利下げ観測に傾斜か
東京午後にポンド相場が急落している。ベイリー英中銀総裁は英ガーディアン紙とのインタビューで「利下げについてもう少し積極的になる可能性」を示唆した。インフレに関するニュースが引き続き良好であることが条件として挙げられている。生活費の圧力が従来予想されていたほどの持続性はないとしている。この報道を受けて、ポンドドルは1.32台半ばから1.31台後半へ、ポンド円は194円台半ばから193円近くまで急落した。この後のロンドン市場では、9月英DMPインフレ予想が発表される。市場予想は1年先インフレ率予想を+2.7%と、前回8月2.6%から小幅上昇とみている。一方で、3カ月先販売価格予想については+3.4%と前回の+3.6%からの鈍化を見込んでいる。ポンド相場がボラタイルな動きをみせているなかで、通常よりも市場反応が敏感になる可能性もあり注意したい。発表は日本時間午後5時半の予定。
市場全般には円相場の下落の動きが目立っている。足元ではドル円、クロス円ともに上昇一服も、ドル円は一時147円台乗せ、ユーロ円は162円台半ば、ポンド円は195円台乗せまで円安が進行する場面があった。先週末の石破ショックの円高は完全に戻している。昨日の石破首相と植田日銀総裁との会談で、当面の利上げの可能性が萎んだことが背景となっている。加えて、明日の米雇用統計を控えて発表された、昨日の米ADP雇用統計が予想外に強かったこともドル円の押し上に寄与していた。引き続き円相場は高ボラティリティーな状況にある。
この後の海外市場で発表される経済指標は、トルコ消費者物価指数(9月)、フランス・ドイツ・ユーロ圏・英国・米国などの非製造業PMI確報値(9月)、ユーロ圏生産者物価指数(PPI)(8月)、米国ではPMIのほかにもチャレンジャー人員削減数(9月)、新規失業保険申請件数(09/22 - 09/28)、製造業新規受注(8月)、耐久財受注(確報値)(8月)などが予定されている。
発言イベント関連では、シュミッド・カンザスシティ連銀総裁、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁、ボスティック・アトランタ連銀総裁などのイベント参加や講演が予定されている。
このあとの欧州・ロンドン市場では円相場動向とともにポンド相場についても注視することになりそうだ。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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