【これからの見通し】きょうはリスク動向落ち着くなか、ECBと米指標をチェック
【これからの見通し】きょうはリスク動向落ち着くなか、ECBと米指標をチェック
東京市場では日経平均がようやく7日続落から脱した。前日の米CPIではヘッドライン前年比が2.9%から2.5%に低下する一方で、コア前年比は3.2%に高止まり。コア前月比は+0.3%と上昇した。初動は米債利回り上昇、ドル高、株安となった。しかし、米株のネガティブな動きは続かず、ナスダック主導で大幅高で引けた。為替市場ではドル高の動きから円安へと流れが変化した経緯がある。
9月の米利下げについては25bp利下げの確度が一段と上昇している。米雇用統計と米CPIを通過したあととあって、25bpで市場の見方はほぼ固まったとみてよいだろう。
この後の海外市場では米生産者物価指数、米新規失業保険申請件数、カナダ住宅建設許可などが発表される。ただ、上記のようなムードとあって、一連の米指標で9月の25bp利下げを確認する程度に終わりそうだ。
また、もう一つの注目イベントはECB理事会だ。市場では25bp利下げがコンセンサスとなっている。スタッフの経済予測が発表されるタイミングで政策調整が行われる感が強いようだ。利下げの有無のタイミングについて、ECB内のタカ派もハト派も意見が一致していることが多くなってきている。ラガルドECB総裁会見では、従来からの会合ごと、データ次第、事前にコミットせずなどの姿勢が繰り返されそうだ。変化がみられれば、ユーロ相場に反応がみられよう。
今回の政策金利については注意ポイントがある。3月の発表によると、今回の会合から主要3政策金利の枠組みが変更される。一番低い水準に設定される「預金ファシリティ・レート」が政策金利の中心になる。今回の予想は3.75%から3.50%への引き下げが市場コンセンサス。中間にある従来からの政策金利「メイン・リファイナンス・レート」と預金ファシリティー・レートとの金利差が、50bpから15bpに縮小される。したがって、市場予想は4.25%から3.65%への引き下げとイレギュラーな幅となっている。最も水準の高い「限界貸出ファシリティー・レート」は引き続き25bp差となり、市場予想は4.5%から3.9%への引き下げとなっている。ただ、枠組み変更は慣れの問題であって、本質は「預金ファシリティ・レート」の変化ということになろう。
発言イベント関連では、上記のラガルドECB総裁会見が中心となる。ほかには、ジョルダン・スイス中銀総裁がイベントに出席する。米30年債入札(220億ドル)が実施される。
ECBと米経済指標待ちとなる欧州・ロンドン市場では、欧州株や米株先物・時間外取引などのリスク動向に市場は反応しそうだ。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
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執筆者 : MINKABU PRESS
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