FX/為替「ドル/円、143円台へ続落 複数の米雇用指標に一喜一憂の展開へ」 外為どっとコム トゥデイ 2024年9月5日号
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年9月5日8時20分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼4日(水)の為替相場
(1):豪GDP前期比は予想通りの結果
(2):JOLTS求人件数 予想を大幅に下回る
(3):米ベージュブック「大半の地区で経済活動が横ばいないし低下」
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:142円台に差し込む可能性も/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
4日(水)の為替相場
期間:4日(水)午前6時10分~5日(木)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):豪GDP前期比は予想通りの結果
豪4-6月期国内総生産(GDP)は前期比+0.2%と予想通りの結果となった。前年比の伸びは+1.0%と市場予想(+0.9%)を上回ったが、1-3月期(+1.3%)から減速した。
(2):JOLTS求人件数 予想を大幅に下回る
米7月JOLTS求人件数は767.3万件と市場予想(810.0万件)を大幅に下回った。6月分も27.4万件下方修正され791.0万件となった。これを受けて米長期金利が低下幅を拡大。9月の利下げ幅を巡る米金利先物の織り込みは、25bp(0.25%ポイント)と50bpでほぼ半々となった。
(3):米ベージュブック「大半の地区で経済活動が横ばいないし低下」
米地区連銀経済報告(ベージュブック)が公表され、「ここ数週間、大半の地区で経済活動が横ばいないし、低下した」「雇用の水準は総じて横ばいから若干増加の範囲だった」「レイオフの報告はあまりなかったが、一部の企業はシフトや勤務時間を削減したほか、募集したポジションで人員を採用しないままだったり、自然減を通じて従業員を削減したりした」「物価と賃金については緩慢な伸びを示した」などと指摘した。
4日(水)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:142円台に差し込む可能性も
昨日のドル円は143円台へと続落。日本株の大幅安を背景に145円台を割り込み、米7月JOLTS求人件数の減少を受けて144円台も割り込むと、一時143.71円前後まで下値を拡大した。なお、市場は明日の米8月雇用統計を前に9月の利下げ幅が50bp(0.50%ポイント)になるとの見方を再び強めており、米金利先物の織り込みは25bp(0.25%ポイント)と50bpでほぼ半々となった。本日のNY市場では、米8月チャレンジャー人員削減数、米8月ADP全国雇用者数、米4-6月期単位労働コスト(人件費)・改定値、米新規失業保険申請件数と、複数の雇用関連の経済指標が発表される。ドル/円はこれらに一喜一憂する展開となりそうだ。仮に8月26日の安値143.44円前後を下抜ければ、一気に142円台に差し込む可能性もあろう。もっとも、米国の利下げを巡る最大の焦点は明日の8月雇用統計となるだけに、一連の雇用指標の消化後は様子見ムードが広がりそうだ。
注目の経済指標:ADP全国雇用者数
注目のイベント:日銀審議委員発言
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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