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ドル円が143円台に下落 米求人件数の減少で大幅利下げの可能性も台頭=NY為替概況

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ドル円が143円台に下落 米求人件数の減少で大幅利下げの可能性も台頭=NY為替概況

 きょうのNY為替市場でドル円は売りが強まり、143円台に下落している。この日発表の7月の米求人件数が予想を大きく下回り、前回分も大幅に下方修正された。これを受けてドル安や米国債利回りの低下が見られ、9月FOMCでの大幅利下げの可能性も高まった。政策金利に敏感な米2年債利回りが急低下し、2-10年債の逆イールドが一時解消。この現象は22年以降で2回目となる。

 また、短期金融市場では0.50%ポイントの大幅利下げの可能性を47%、0.25%ポイントの通常利下げを53%で織り込む動きに変化している。利下げ自体は100%。

 これらを受けてドル円は売りが強まった格好だが、21日線で上値を抑えられた後、下向きの流れを継続している。直近安値が143.45円付近にあり目先の下値メドとして意識される。

 ユーロドルは1.10ドル台後半に買い戻された。1.11ドルには慎重だったようだが、4月以降の上向きの流れは継続している。

 一部からは欧州の政治が長期的にユーロに打撃を与える可能性があるとの指摘が出ている。週末のドイツの州議会選挙では極右政党が躍進したもののユーロへの影響は限定的だった。日曜日に実施されたドイツのテューリンゲン州議会選挙で極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が第1党となった後、同党の政権奪取を阻止しようとする動きがあったことで投資家は安心した。

 しかし、長期的に欧州の政治情勢がユーロに打撃を与えないというわけではない。ドイツの与党連合はますます弱体化しているように見え、欧州政治が今後ユーロにダメージを与える可能性は十分に有り得るとの見方も出ている。特に秋にはEU予算の時期が控えており、情勢次第ではユーロを圧迫する可能性は十分にあるという。

 ポンドドルは一時1.31ドル台後半まで上昇。上値が重い一方でポンド自体は底堅い推移を堅持しており上向きの流れは継続している。英中銀がFRBやECBとは違い、利下げに慎重姿勢でいることが引き続きポンドを支えているようだ。

 今週は主要な英経済指標の発表もなく、専らポンド以外の材料に左右されそうだが、来週は英雇用統計の発表が控えており市場も注目している。しかし、その英雇用統計のデータでは不十分で9月の英中銀による利下げは見込めないとの声も出ている。英雇用統計のデータは変動が激しく、月ごとの労働市場の動向を追うには信頼性が低いという。

 また、英中銀は1年または2年間の傾向に焦点を当てることを好み、2022年初頭以降の失業率の緩やかな上昇は高金利が影響していると指摘している。

 この日はカナダ中銀が金融政策を発表し、3会合連続での利下げを行った。予想通りではあったものの、カナダドルは買いの反応を見せていた。カナダ中銀は追加利下げの可能性に再言及していたが想定通りではあった。

 市場の一部では大幅利下げの期待が出ているが、マクレム・カナダ中銀総裁も「検討はしているものの、0.25%ポイントの通常利下げがコンセンサス」との認識を強調していた。その意味ではカナダドルにとってはポジティブな材料ではあったのかもしれない。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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