FX/為替「ドル/円、株式市場の落ち着きが反発のカギに」 外為どっとコム トゥデイ 2024年8月6日号
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年8月6日8時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼5日(月)の為替相場
(1):日経平均株価、過去最大の下げ幅!円買い強まる
(2):シカゴ連銀総裁、景気後退には陥っていない
(3):米ISM非製造業景況指数は予想を上回る結果
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:株式市場の落ち着きが反発のカギに/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
5日(月)の為替相場
期間:5日(月)午前7時00分~6日(火)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):日経平均株価、過去最大の下げ幅!円買い強まる
日経平均株価は前日比4451円安となり、過去最大の下げ幅を記録。前週の米7月雇用統計の悪化を受けて米国の景気後退懸念が強まる中、売りが売りを呼ぶ展開となった。ドル/円は1月2日以来の141.66円前後まで下落。ポンド/円も1月3日以来の180.09円前後まで下落した。なお、ユーロ/円は昨年12月以来、豪ドル/円は昨年5月以来の安値までそれぞれ下値を切り下げた。
(2):シカゴ連銀総裁、景気後退には陥っていない
シカゴ連銀のグールズビー総裁は「雇用の数字は予想よりも弱かったが、リセッションの様相はまだ呈していない。景気がどこに向かっているのか前向きに判断していきたい」と述べ、「市場は同当局の行動よりもはるかに不安定だ」と付け加えた。
(3):米ISM非製造業景況指数は予想を上回る結果
米7月ISM非製造業景況指数は51.4と市場予想(51.0)を上回り、前月の48.8から上昇した。構成指数の「新規受注」「雇用」「仕入価格」が前月から上昇した。米国の景気後退を巡る懸念はいくぶん後退。ドル/円やクロス円は下げ幅を縮小したが、一巡後は米国株の戻りが鈍い中で再び失速した。
5日(月)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:株式市場の落ち着きが反発のカギに
昨日のドル/円は7カ月ぶり安値からやや持ち直した。前週の米7月雇用統計を受けて同国の景気後退懸念が急浮上する中、パニック的な株売り・円買いの流れが継続。過去最大の下げ幅を記録した日経平均株価と共鳴する格好で円買いが強まると、早朝の146円台半ばから141.66円前後まで下落して1月2日以来の安値を付けた。その後は、米7月ISM非製造業景況指数が予想を上回ると144円台後半に下げ幅を縮小。ただ、米国の景気不安は拭えず米国株が大幅に続落する中で戻りは鈍く、終値は前日比2.3円あまり円高・ドル安の144.19円前後だった。
本日も、世界の株式市場の動向から目が離せない展開となりそうだ。日本株は先物が大幅高となっており、このあと始まる現物株がどこまで反発するか注目したい。米国では昨日、株式市場における投資家心理を数値化した「恐怖指数」と呼ばれるVIX指数が一時65台に急伸。38台へと上昇幅を縮めて取引を終えたが、市場が緊張状態にあることを示すとされる20を大幅に上回る水準で高止まりした。足元の米景気後退懸念および利下げペース拡大観測を背景とするドル/円の急落は行き過ぎと見るが、株式市場に落ち着きが戻るまでは大幅反発を期待しにくいだけに、株価動向が目先の焦点となろう。
注目の経済指標:RBA政策金利
注目のイベント:RBA総裁講演
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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