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為替相場まとめ7月29日から8月2日の週

為替 

 29日からの週は、円買いが強まった。水曜日の日銀決定会合では直前に複数の報道機関から報じられていた25bpの追加利上げと、今後の国債買い入れ減額計画が発表された。植田総裁会見ではさらなる利上げの可能性も示唆され、タカ派の印象を市場に与えた。続く米FOMCでは予想通り政策金利が据え置かれたが、パウエル議長が会見で9月利下げを示唆した。円高圧力とともにドル安圧力も加わりドル円相場を150円台割れへと押し下げた。木曜日の英金融政策委員会(MPC)では政策金利が25bp引き下げられた。5対4の僅差での決定だった。4票は据え置きを主張した。微妙な判断だったことをペイリー英中銀総裁も認めている。市場では利下げを6割程度織り込んでいたが、発表前からポンド売りが強まっていた。ポンド円の下落を通じて円高の動きにつながった面もみられた。NY市場で発表された米ISM製造業景気指数が弱い結果を示したことに、株式市場が大幅安となった。米景気後退への警戒感が高まる状況となった。日米金利差縮小観測に加えて、世界同時株安の様相を呈したことがリスク回避の円高につながった。金曜日には日経平均が過去2番目の下げ幅2200円超安で引けるなど市場に不透明感が広がった。米雇用統計は非農業部門雇用者数(NFP)が予想を大きく下回り、失業率も悪化した。ドル円は売りが加速し、146円台半ばまで急落している。


(29日)
 東京市場は、ドル円がやや不安定な動き。先週末の米PCE価格指数が落ち着いた結果となり、154円台から153円台へと下げて週明けを迎えた。日経平均の大幅上昇とともにリスク選好の円売りで、154.35近辺まで上昇。しかし、その後は一転して売られ、昼前には153.02近辺まで反落。今週の日銀会合を前に行き過ぎた円安への警戒感が見られたようだ。その後は下げ一服も153円台後半では上値が抑えられた。週央の日銀決定会合や米FOMCを控えて神経質な地合いだった。ユーロ円も167円台半ばまで買われたあとは、166円台前半へと下落。再び買われるも167円には届かず。ユーロドルは1.0550-70レベルでの揉み合い。

 ロンドン市場は、ドルに買戻しが入っている。ドル買いはポンドドルの下げが主導。英債利回りが低下、英FT指数が堅調に推移しており、今週木曜日の英金融政策委員会での利下げが期待されているようだ。市場では約6割程度の織り込み度となっている。ポンドドルが1.28台後半から前半へと下押しされる動きに連れて、ユーロドルも1.08台後半から前半へと軟化。ドル円は153円台前半から後半へと下げ渋っている。クロス円はポンド円が198円付近から一時197円台割れと軟調。ユーロ円は166円台前半から後半で売買が交錯している。ユーロ対ポンドではユーロ買いが先行したが、足元では売り戻されている。6月英消費者信用残高は12億ポンドと前回の15億ポンドから減少。6月英住宅ローン承認件数は6万件程度と前回並みの数字だった。7月英CBI小売調査は売上高指数が大幅低下。ただ、いずれにもポンド相場は目立った反応を示さなかった。その他には主要国の経済統計発表の予定はなく、週明けは調整主導の展開となっている。

 NY市場で、ドル円は154円付近に戻した。今週の重要イベントを前に全体的には様子見の雰囲気が広がっており、慎重な雰囲気もうかがえる。今週はFOMC、日銀決定会合、週末には米雇用統計の発表が控えている。先週末にFRBが重要視するインフレ指標である6月のPCEデフレータが発表になったが、予想通りにインフレの落ち着きを示す内容となった。市場は9月のFRBの利下げ期待を変えていない。一方、日銀は国債購入減額のほかに、利上げを実施との見方が海外勢中心に根強い。短期金融市場でも6割程度で利上げを見込んでいる。ただ、エコノミストの利上げ予想は2割程度となっている。ドル円は一方向には動きにくい状況。ユーロドルは下値模索が続き、1.08ちょうど付近に下落する場面があった。200日線および1.08の大台は維持した。ポンドドルは一時1.0805近辺まで下落も、NY時間に入ると下げ一服。今週に英MPCが迫っても市場はなお見方を決め切れないでいる。委員の投票は僅差ではあるが利下げを打ち出すとの見方の一方、短期金融市場では、確率が五分五分となっており、どっちつかずの状況となっている。

(30日)
 東京市場では、やや円安の動き。ドル円は朝方に153.60台まで下押しも、その後は反発。昼過ぎまでは154を挟んで推移した。午後には円売りが優勢となり154円台前半で小高く推移。ユーロ円は166.20付近を安値に、167.40台へ、ポンド円は197.50付近から198.80台へと上昇。円売りについては、本邦長期債利回りが1%割れとなるなど、市場ではあすの日銀決定会合での追加利上げ見送り観測が広がっていた。ユーロドルは1.08台前半で小動き。円相場主導の展開だった。

 ロンドン市場は、円売りが優勢。ドル円は東京午後に154円付近の揉み合いを上放れて上昇。ロンドン朝方には155.22近辺に高値を伸ばした。長期債利回りの低下とともに、イベントを控えて短期筋が円買いポジションに調整を入れる面があったようだ。ロンドン勢が本格参加してからは値動きは一服。ドル円は154円台後半での揉み合いに。クロス円も同様に買われており、ユーロ円は166円台半ばから168円手前まで、ポンド円は198円付近から199円台半ばまで上昇する場面があった。足元でも高値圏で推移している。ユーロ対ポンドではややユーロがが買われている。この日は一連の欧州主要国の第2四半期GDP速報値が発表された。ドイツが予想外にマイナス成長となったが、フランス、スペイン、イタリアなどがプラスを維持し、ユーロ圏全体では前期比+0.3%と前回並みの成長を維持、市場予想を若干上回った。欧州株や米株先物は概ね堅調に推移しており、リスク動向は安定している。
 
 NY市場では、一転して円高の動きが強まった。ドル円は152円台へ急落した。ロンドン朝方には一時155円台まで買い戻されていた。NY時間に入って、明日の日銀決定会合の観測報道が流れ、国債購入の減額とともに、今回は見送られると思われていた利上げが検討されると伝わったことが円買いを誘発した。0.25%程度への利上げが議論されるという。国債購入の減額については、1-2年程度で現在の月6兆円から3兆円程度に半減させるとの観測も出ている。数字次第では償還分と差し引きすると保有国債の縮小になるという。ユーロドルは一時1.07台に下落、上値重く推移。ドイツの7月の消費者物価指数(HICP)の速報値が公表されていたが、前年比2.6%、前月比0.5%と予想通りではあったものの、前回からインフレが上昇していた。ドイツは景気については弱さが報告されており、ECBの9月利下げの根拠の1つに挙げられているが、本日のインフレの数字はECBの仕事を複雑にしている。ポンドドルも1.28台前半まで下落した。英中銀は今週だけでなく、年末まで利下げを続けると見込んでいるという。短期金融市場では、木曜日に利下げが行われる可能性を60%程度と見ている。

(31日)
 東京市場で、ドル円は上下に大きな動きをみせた。前日NY市場で152円台へ下落した流れを受け、東京朝方には152.10台まで下落。しかし、153.40付近まで急反発後、152円台後半へ下落と不安定な動きとなった。日銀会合の結果が12時50分台に発表され、0.25%への利上げを決定。152.60台から151.64近辺まで急落。その後一転して153.87近辺に上昇と荒っぽい動き。その後152円台の発表前水準に戻す往って来いとなった。152円台から153円台で不安定な相場となっている。ユーロ円も164.17近辺から166.53近辺までのレンジで上下動。豪ドルは軟調。午前に発表された消費者物価指数で、政府や中銀が注視している刈込平均が予想外に4%を割り込んだことに反応した。豪ドル/ドルは0.65台割れから0.6480近辺に下落、5月1日以来の安値に。

 ロンドン市場は、円買いが強まった。この日、日銀は政策金利を0.0-0.1%から0.25%へと引き上げた。国債買い入れ額についても6兆円から3兆円へと減額する計画が発表された。東京午後の発表時にはドル円は152円台割れから154円手前水準で激しく振幅した。152円台後半に値動きが一服して、植田日銀総裁会見を迎えた。総裁は、データ次第では今後の追加利上げの可能性があると示唆、0.5%という政策金利水準を意識しているわけではない、などと述べた。これを受けて市場では想定よりもタカ派的と判断し、円買いを進めた。ドル円は150.07近辺まで急落。その後のロンドン市場でも戻りは151円には届かず、150円台で上値重く推移している。クロス円も全面安。ユーロ円は165円台から162円台まで、ポンド円は196円台から192円台まで急落した。ユーロドル、ポンドドルなどドルストレートは比較的小動き。そのなかではややユーロ買い・ポンド売りの動きがみられた。この日発表された7月ユーロ圏消費者物価速報が前年比+2.6%と前回の+2.5%から上昇したことに反応した。ポンドにとってはあすの英中銀政策金利発表での利下げ観測が上値を重くした面も指摘される。

 NY市場では、ドル売りが広がった。ドル円は心理的水準の150円を割り込んだ。日銀の利上げで円高が強まったのに加えて、この日のFOMCとパウエル議長の会見を受けてドル売りの動きが強まったことも、ドル円を急落させている。FOMC声明では「二大責務の両方のリスクに留意する」と述べる一方、「インフレ鈍化への確信が高まるのを待つ」との文言に再言及していたことから、為替市場は一旦ドル買いの反応が見られ、ドル円も151円台に戻していた。しかし、その後のパウエル議長の会見で、9月利下げの可能性に言及したことから、市場は敏感に反応した。議長は「利下げ時期は近づいている。9月に利下げが選択肢になる可能性がある」と述べていた。ユーロドルは1.08台半ばまで買い戻されていたものの、NY時間に入って1.08台前半に伸び悩む展開。ポンドドルはパウエル会見を受けて1.28台半ばに上昇したものの、全体的には1.28台での上下動に終始した。

(1日)
 東京市場では、ドル円が下げ一服。前日の下げの流れを受けて、午前には148.51近辺まで一段安となった。前日終値から約1.5円の下落幅で、3月15日以来の安値水準となった。しかし、東京中盤にかけては下げ渋り、米10年債利回りの上昇に支えられて149円台後半まで買い戻された。ロンドン勢の本格参加を前に一時150円台を回復する場面があったが、上げは持続せず再び149円台後半で揉み合っている。ユーロ円は、午前に一時160.89付近まで水準を切り下げたあと、午後に入り下げを帳消しにして一時162円台半ばまで戻した。ユーロドルは朝から1.08台前半で落ち着いた動きが続いた。

 ロンドン市場は、ポンドが売られている。英中銀の政策金利発表を控えて、ポンドはロンドン朝方から売りが強まった。1.28台半ばから1.27台半ばへと下落。日本時間午後8時の発表では大方の予想通り政策金利を25bp引き下げて5.00%とした。票割れは5対4の僅差だった。4名の委員は据え置きを主張していた。ベイリー英中銀総裁は、利下げの決定は微妙なバランスだった、国内のインフレ圧力は依然強い、などと述べている。発表後のポンド相場は小幅の下げにとどまっている。ユーロドルはポンドドルの下落局面で連れ安となり、1.08台前半から1.07台後半へと下げている。ドル円は東京市場で激しく上下動したあと、ロンドン市場では150円台割れから149.40台まで一時下落も、その後は150円台後半へと高値を伸ばしている。全般的にはドル買いが優勢で、前日の米FOMCおよびパウエル議長会見後のドル売りに調整が入る形となっている。クロス円はロンドン市場で下に往って来い。ユーロ円は161円台から162円台半ば、ポンド円は191円付近から192円台での振幅となっている。

 NY市場では、ドル円は150円台を維持できず。ISM製造業景気指数が予想を下回り、8カ月ぶりの低水準に下げたことをきっかけに、米株式市場が大幅安となり、米国債利回りも急速に低下した。米10年債は4%を割り込む展開。ドル円は序盤は買い戻しの動きで150円台を回復していたが、後半には再び150円を割り込んだ。明日の米雇用統計を前に、米経済の先行きへの警戒感が広がり、リスク回避の円買いがドル円を押し下げたようだ。前日のFOMC後のパウエルFRB議長の会見を受けて、市場は9月利下げ開始を確実視しているが、短期金融市場では年内3回の利下げを織り込む動きが出ている。ユーロドルは1.0780付近まで一時下落、200日線を下放れる動きがみられた。ポンドドルはロンドン市場で1.27台に下落したが、英中銀の利下げ発表後は1.28台に買い戻された。英中銀が追加利下げに慎重姿勢を示したことで、ポンドは買い戻されたものと思われる。依然として高水準で推移しているサービスインフレと賃金が英中銀の利下げ意欲を抑制しているようだ。

(2日)
 東京市場では、ドル円相場が株式動向をにらんで振幅した。ドル円は149円台前半でスタート、朝からの株安で148.80台まで下落。日経平均が2000円超の下落となり、リスク警戒の円買いに押された。その後、1500円安程度まで下げ渋ると、円高に調整が入り149.77近辺の高値を付けた。午後は再び株安の動きが広がり、日経平均は2200円超の下げ、東証グロース250先物がサーキットブレーカーを発動させる事態となった。ドル円は朝の安値を割り込んで148.81近辺に安値を広げた。クロス円も同様の動き。ユーロ円は160.65-161.59レンジ、ポンド円は189.47-190.54レンジで振幅した。円相場主導となるなかで、ユーロドルは1.0800を挟んだ相場展開にとどまった。
 
 ロンドン市場は、ややドル安の推移。ドル円は149円割れへと軟化。ユーロドルは1.08台割れ水準から1.08台乗せへと小高く推移。ポンドドルは1.27台前半での揉み合い。日本時間午後9時30分の米雇用統計発表を前にして、前日のドル高の動きに調整が入る格好。前日の米株安やきょうの日経平均急落を受けて欧州株や米株先物・時間外取引も続落している。世界同時株安の様相となっている。米10年債利回りは3.97%付近から3.93%付近まで低下している。ただ、為替市場でのリスク回避の円買いは、それほど前面には押し出されていない。クロス円は序盤は売りが先行も、次第に下げ渋っている。ドル指数は低下しているが、前日の上昇を戻す程度の動きにとどまっている。ユーロ円は160.50割れに下押しされたあとは161円挟みでの揉み合い。ポンド円は189円付近まで下げたあとは、189円台半ばから後半で推移している。リスク動向を反映して独伊10年債利回り格差は約1カ月ぶりの水準に拡大している。

 NY市場でドル円は売りが加速し、146円台半ばまで急落した。この日発表の7月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数(NFP)が予想を大きく下回り、失業率も悪化した。前日は弱いISM製造業景気指数を受けて、市場はFRBの利下げ期待ではなく、景気の先行き懸念を強め、リスク回避の雰囲気が強まっていた。その意味でも本日の米雇用統計は注目されたが、その懸念を更に強める内容となっている。

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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