【これからの見通し】円相場主導となるなか、きょうは英金融政策発表 ポンドに動意も
【これからの見通し】円相場主導となるなか、きょうは英金融政策発表 ポンドに動意も
今週は円相場主導の展開となっている。ドル円は東京午前に一時148.50付近まで下落した。7月3日につけた高値161.95レベルからは13円超のドル安・円高進行となった。
昨日は円相場にとって重要な一日だった。日銀決定会合で利上げか据え置きかが不透明だったなかで、会合前日のNY市場で報道機関が利上げ検討を報じた。発表当日は国債買い入れ減額計画とともに、報道通りの結果が発表された。植田日銀総裁は一変して利上げ推進派の印象をマーケットに与えた。
さらに、ドル売りのサポートが加わった。米FOMCでは予想通りの政策金利据え置きも、パウエル議長会見で次回9月の利下げ検討について言及があり、ドル安圧力となった。ただ、ドル円の下げと比べて、ユーロドルやポンドドルなどの買い反応は小幅にとどまった。ユーロ円、ポンド円などクロス円が円高方向に振れた。結局のところ、日米金利差縮小シナリオに基づいた円高相場となった経緯がある。
そのような中で、きょうは英金融政策委員会(MPC)の結果が発表される。経済見通しやベイリー総裁会見も実施される「スーパーサーズデー」となる。市場では6割程度が25bp利下げを織り込んでいる。インフレは低下基調を示しており、次のアクションは利下げとみられている。今回か9月かのタイミングが焦点となる。前回6月会合ではこれまで通り7対2で据え置きが決定されたが、一部の委員にとっては「微妙なバランス」だったとの文言があり、市場環境に目立った変化がみられなければ、今回8月の利下げが示唆されていたようだ。市場では5対4など僅差での利下げ決定を想定する向きもある。
問題はポンド相場にどの程度の反応がみられるのかどうかだ。昨日の米FOMCのように対ドルでの反応がそれほど大きくならない場合は、日英金利差が縮小するのかどうかに焦点が当てられる可能性もあろう。その場合は、ポンド円主導で反応が広がりそうだ。英中銀発表は日本時間午後8時。
この後の海外市場で発表される経済指標は、英中銀イベント以外にもフランス・ドイツ・ユーロ圏・英国・米国などの製造業PMI確報値(7月)、ユーロ圏失業率(6月)、米チャレンジャー人員削減数(7月)、米非農業部門労働生産性指数(速報値)(2024年 第2四半期)、米新規失業保険申請件数(07/21 - 07/27)、米建設支出(6月)、米ISM製造業景気指数(7月)など比較的多い。
発言イベント関連では、英中銀関連が中心となり、金融政策発表後にベイリー英中銀総裁会見、その後やや時間をおいてピル英中銀チーフエコノミストが金融政策について質疑応答を受ける。米主要企業決算発表は、バイオジェン、モデルナ、アップル、インテル、スナップ、アマゾンドットコム、コインベースなど。IT大手の決算内容が注目される。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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