FX/為替「ドル/円、不安定な動き継続へ 159-160円台は真空地帯」 外為どっとコム トゥデイ 2024年7月12日号
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年7月12日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼11日(木)の為替相場
(1):英GDPは予想を上回る
(2):米CPIは予想以上に鈍化 ドル円急落
(3):神田財務官「コメントする立場にない」
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:値動きは不安定にならざるを得ない/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
11日(木)の為替相場
期間:11日(木)午前6時10分~12日(金)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):英GDPは予想を上回る
英5月国内総生産(GDP)は前月比+0.4%と市場予想(+0.2%)を上回った。同鉱工業生産は前月比+0.2%(予想+0.3%)、同貿易収支は179.17億ポンドの赤字(予想166.00億ポンドの赤字)だった。
(2):米CPIは予想以上に鈍化 ドル円急落
米6月消費者物価指数(CPI)は前月比-0.1%と予想(+0.1%)に反して低下した。前年比では+3.0%と市場予想(+3.1%)を下回り前月(+3.3%)から伸びが鈍化。食品とエネルギーを除いたコアCPIも前年比+3.3%に鈍化した(予想、前月ともに+3.4%)。これを受けて米長期金利が低下する中、ドル売りが強まった。ドル/円は160円台後半で下げ渋ったのも束の間、160.00円、159.00円と節目を次々に下抜けて急落。158.00円も割り込んで157.42円前後でようやく下げ止まった。クロス円もドル/円につれて下落したが、ストレートドルの上昇が支えとなったためドル/円ほどには急ピッチで下落しなかった。
(3):神田財務官「コメントする立場にない」
テレビ朝日は速報で「政府関係者によると政府・日銀が為替介入実施」と報じた。その後、神田財務官が取材に応じ「介入の有無についてはコメントする立場にない」と述べた。
11日(木)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:値動きは不安定にならざるを得ない
昨日のドル/円は大幅安の展開。米6月消費者物価指数(CPI)が予想以上に鈍化したことを受けて161円台半ばから急落した。その後、ドル売り・円買いの勢いが増すと157.42円前後まで下値を拡大。約30分で4円超という異例の下落について一部メディアは政府・日銀が円買い介入を行ったと報じた。
本日の東京市場ではドル買いが先行しており159円台前半に持ち直している。ドルの手当てが遅れていた実需筋の買いなどが入りやすいと見られ、仲値公示にかけて堅調な推移が予想される。もっとも、159-160円台は昨夜ものの数十分で通過した「真空地帯」であり、現状ではほとんど抵抗がない水準と考えられる。この水準での値動きは不安定にならざるを得ないだろう。なお、海外市場ではNYタイムに発表される米6月生産者物価指数(PPI)と米7月ミシガン大消費者インフレ期待に注目だ。
注目の経済指標:米PPI
注目のイベント:米企業決算
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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