【これからの見通し】米雇用統計に視線集まる、雇用の伸びの強さはどうか
【これからの見通し】米雇用統計に視線集まる、雇用の伸びの強さはどうか
きょうは6月の米雇用統計が発表される。週末にかけてのビッグイベントとして市場の注目度は高い。中心となるのが非農業部門雇用者数の伸びで、今回の市場コンセンサス予想は19万人増となっている。今年に入ってからの雇用の伸びは4月を除いて、常に事前予想を上回ってきている。直近のJOLTs求人件数が予想外の増加となったことからも、労働需給の引き締まりが示されている。
失業率の予想は4.0%と前回と同水準となる見込み。労働参加率は62.5%から62.6%へと上昇する見込み。また、物価動向に影響を与える賃金については、平均時給の前月比は0.4%から0.3%に、前年比は4.1%から3.9%に伸びが鈍化する予想となっている。
今週のドル相場は一連の弱めの米経済指標を背景に、ドル売り圧力が優勢になっている。米雇用統計の結果を見極めつつ、週末にかけてもドル安傾向が続くのかどうかを確認したい。
ただ、ドル安には英欧の政治情勢の安定化期待があることも留意しておきたい。昨日の英総選挙では予想通り、労働党が地滑り的勝利となり14年ぶりに政権を奪取した。このあと7日に実施される仏決戦投票では、与党と左翼連合の連携策により、極右勢力が過半数を占められない可能性が指摘されている。いずれもユーロやポンドの下支え材料となっている。各国の長期債動向をにらみながら、政局安定化の動きを確認することとなろう。
リスク要因としては、米大統領選でのトランプ氏優位やバイデン大統領の立候補辞退などが挙げられる。この場合、ドル高方向に進むとの見方が有力になっている。また、中東情勢の緊迫化で原油高が長期化すれば、インフレ圧力の上昇とともに米金融当局が利下げにしにくくなってくる。
この後の海外市場で発表される経済指標は、上記の米雇用統計のほかにも、ユーロ圏小売売上高(5月)、カナダ雇用統計(6月)、カナダIvey購買部協会指数(6月)などが予定されている。
発言イベント関連では、ナーゲル独連銀総裁、ウィリアムズNY連銀総裁、ラガルドECB総裁などの講演やイベント参加が予定されている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
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執筆者 : MINKABU PRESS
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