【本日の見通し】米CPIとFOMC次第
【本日の見通し】米CPIとFOMC次第
今週最も注目されている米消費者物価指数(CPI)の発表を21時半、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を13日3時に控えている。今週どころか今月で最も注目されている材料だけに、結果次第という面がかなり強い。
前回4月のCPIはほぼ予想通りながら伸びが鈍化した。ガソリン価格上昇を受けてエネルギーの伸びが見られた一方で、財を中心に幅広く伸びが鈍化していた。ただ、食品とエネルギーを除いたサービスは前回+5.3%と3月の+5.4%からは鈍化したものの、高水準となっている。今回は4月に比べてガソリン小売価格が下がった分、全体の伸びが抑えられると期待される。ただ、前回強かった医療サービスや運輸サービスなどの強い伸びが継続し、鈍化傾向にあるものの高水準を維持する住宅関連の伸びが強いようだと、予想を超える伸びとなる可能性がある。
今回の予想は前年比+3.4%と4月と同水準、コア前年比は+3.5%と4月の+3.6%から小幅鈍化見込み。前月比は+0.1%と前回から伸びが鈍化。コア前月比は+0.3%と4月と同水準の伸びが見込まれている。予想から小幅であっても伸びが強かった場合、先週末の米雇用統計の強さも意識され、ドル買いが強まる可能性がある。
FOMCでは政策金利の据え置きが見込まれている。注目は声明、会見と今回発表される回にあたっている経済見通し(SEP)。とくにSEPの中で示される年末時点での政策金利見通し(ドットプロット)が注目されている。前回3月のドットプロットは年内3回の利下げが中央値となった。ここから年3回の利下げとなる可能性は相当低く、現状は1回か2回かで市場の見方が分かれている状況。ドットプロットの中央値がどの水準で示されるかが市場の見方にも大きな影響を与える。
2つのイベント次第で上下とも動きが出る可能性がある。先週末の米雇用統計もあり、ややドル高に振れやすいという印象で、無難にこなした場合はドルが堅調、強ければドル高が加速し、ただ弱ければドル安という流れか。少なくともCPI発表までは動きにくい。ドル円は157円00銭を挟んでの推移が続くと見られる。ユーロドルは1.07台後半が重くなりそうだが、CPIまで値幅自体は抑えられそう。
MINKABU PRESS 山岡和雅
執筆者 : MINKABU PRESS
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