円買い強まる、ドル円154円台に下落、米景気動向や日銀への思惑で=ロンドン為替概況
円買い強まる、ドル円154円台に下落、米景気動向や日銀への思惑で=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、円買いが強まっている。ドル円は156円台から154円台へと下落。ユーロ円は170円台から168円台へ、ポンド円は200円付近から197円台へと大きく水準を下げている。リスク回避動向が広がっており、欧州株や米株先物が下落、米債利回りが低下するなかでドルストレートはドル高となっている。ユーロドルは1.09台割れから1.08台後半へ、ポンドドルは1.28付近から1.27台半ばへと下押しされている。原油先物も下げている。リスク回避の背景には昨日の米ISM製造業景気指数が予想外に低下するなど米景気への警戒感があるようだ。このあとのNY市場では米JOLTs求人件数、米製造業受注などが注目される。また、日銀関連の思惑が円買いにつながっている。氷見野日銀副総裁は「金融政策決定に際して、為替変動のその経済・物価への影響に十分注意する必要」と述べており、円安動向を気がかりにしていると市場に解釈されたもよう。さらに、関係者発言として「日銀、早ければ今月会合で国債買い入れ減額を具体的に検討も」と報じられた。今週は金曜日の米雇用統計まで連日米経済統計発表が予定されており、息の抜けない状況となりそうだ。日銀関連の続報にも要注意となろう。
ドル円は155円付近での取引。東京午前の156.49近辺を高値にロンドン時間に入ると156円割れとなった。その後も売りが続き、一時154.71近辺まで安値を広げている。株安とともに日銀の国債購入減額に関する関係者発言などの報道が材料視された。
ユーロドルは1.08台後半での取引。ユーロ円の大幅下落とともに1.09台前半から1.0860台へと下押しされている。ユーロ円はドル円とともに下落、東京午前の170.73近辺を高値にロンドン時間には168.11近辺まで大幅安となっている。対ポンドではやや堅調も揉み合いの範疇にとどまっている。
ポンドドルは1.27台半ばでの取引。東京市場での1.28台乗せ水準での揉み合いから、ロンドン時間には下放れている。足元では安値を1.2740台まで広げている。ポンド円は東京午前の200.42近辺を高値に、ロンドン時間には197.21近辺までの大幅安となっている。ユーロポンドは0.8512から0.8525付近でややポンドが弱い動きとなっている。ただ、ポンド円の下落と比べると微々たる値動き。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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