【これからの見通し】着実に進行する円安の流れ、ドル高起因の面も強いが
【これからの見通し】着実に進行する円安の流れ、ドル高起因の面も強いが
このところ、緩やかに着実なペースで円安が進行している。ドル円が2度の覆面介入(とみられる動き)のあと、じりじりと157円台へと水準を上げてきている。ユーロ円は170円、ポンド円は200円の節目水準が定着しつつある。
昨日はカシュカリ・ミネアポリス連銀総裁が「利上げを選択肢から排除した人はいないと思う」と発言したことや米コンファレンスボード消費者信頼感指数が前回の97.5から102.0(予想96.0)へと大幅に上昇したことなどがドル買い圧力となる面もあった。
一方で、日本10年債国債の利回りは、きょう1.08%付近まで上昇する場面があった。しかし、米債利回りも上昇しており、日米金利差縮小への期待は広がっていない。円債利回り上昇については、日銀の追加利上げを催促する面も指摘される動きとなっているようだ。
また、政府・日銀の為替介入に関しては、イエレン米財務長官の為替介入は稀であるべき、との発言が介入実施への警戒感を後退させている。先ほど報じられた安達日銀審議委員の「物価に影響出てくれば為替に対応」との発言に円相場が神経質な反応を示していた。やはり、円高方向への動きには、市場における日銀利上げ期待の高まりが必要となりそうだ。
このあとの海外市場で発表される経済指標は、米MBA住宅ローン申請指数(05/18 - 05/24)、米リッチモンド連銀製造業指数(5月)、ドイツ消費者物価指数(速報)(5月)などが予定されている。
発言イベント関連では、ビルロワドガロー仏中銀総裁、ウィリアムズNY連銀総裁のイベント出席、米地区連銀経済報告(ベージュブック)などが予定されている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
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執筆者 : MINKABU PRESS
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