FX/為替「ドル/円、152円は近くて遠い」 外為どっとコム トゥデイ 2024年4月8日号
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年4月8日8時20分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼5日(金)の為替相場
(1):豪貿易黒字は予想を下回る
(2):力強い米雇用統計
(3):米雇用統計の結果を受けて米株が上昇
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:神経質な値動きが続きそう/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
5日(金)の為替相場
期間:5日(金)午前6時10分~6日(土)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):豪貿易黒字は予想を下回る
豪2月貿易収支は72.80億豪ドルの黒字となり、黒字額は市場予想(1050.00億豪ドル)を下回った。鉄鉱石・鉱物を中心に輸出が前月比で減少したことが響いた。
(2):力強い米雇用統計
米3月雇用統計は、非農業部門雇用者数が30.3万人増と市場予想(21.4万人増)に反して前月(27.0万人増)から拡大。失業率は予想通りに3.8%と前月(3.9%)から低下した。労働参加率は62.7%へ予想以上に上昇(予想62.6%、前回62.5%)。平均時給は前月比+0.3%、前年比+4.1%と予想通りに伸びた。非農業部門雇用者数の増加幅が10カ月ぶりの高水準となり米労働市場の力強さが改めて示されたとの見方から米長期金利が上昇する中、ドル買いが優勢となった。
(3):米雇用統計の結果を受けて米株が上昇
米3月雇用統計を受けたドル買いの影響で伸び悩んでいたクロス円が上伸。雇用統計で米経済の強さが示されたことから米国株が上昇した。なお、ダラス連銀のローガン総裁がインフレの上振れリスクを考慮した上で「利下げについて考えるのは早すぎる」と述べたほか、米連邦準備制度理事会(FRB)のボウマン理事も「利下げの時期にはまだ至っていない」と発言。米長期金利は上昇したものの株価の圧迫要因にはならなかった。
5日(金)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:神経質な値動きが続きそう
5日のドル/円は米国の雇用情勢が堅調を維持したことで上昇。米3月雇用統計では非農業部門雇用者数の増加幅が予想に反して拡大した。ただ、ドル/円の上値は151.75円前後までにとどまり、節目の152.00円にはまたしても届かなかった。イスラエルとイランを巡る地政学リスクや日本政府・日銀による円買い介入への警戒感が上値を抑えたと見られる。米CNNは7日、「イランが今週中に中東でイスラエルあるいは米国の権益を狙った『相当な規模』の攻撃を仕掛けるとの判断を強めた米国が高度な警戒態勢に入り、対応措置の準備を急いでいる」と報じた。円買い介入については5日、鈴木財務相に続き岸田首相も「為替の行き過ぎた動きに『あらゆる手段』を排除せずに対応する」と述べて円安をけん制した。なお、米国の利下げを巡り市場の次の関心は10日に発表される米3月消費者物価指数(CPI)に向かっている。ドル/円は本日も「近くて遠い」152円を前に神経質な値動きが続きそうだ。
注目の経済指標:特になし
注目のイベント:シカゴ連銀総裁発言
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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