【これからの見通し】ドル円が上昇し続けた1週間、週末調整をこなすか
【これからの見通し】ドル円が上昇し続けた1週間、週末調整をこなすか
きょうは金曜日とあって、週末調整を誘発しやすいタイミングとなる。しかし、東京市場でドル円は一時148.80レベルと今年に入ってからの高値を更新している。昨年11月28日以来のドル高・円安水準となっている。東京午前に鈴木財務相が円安は新NISAの影響かとの質問に対して、「新NISAだけに変動要因を求めることは困難」と述べていた。「分散投資の観点から海外資産への投資が増加していること認識」と述べており、外貨買い要因であることを認めた。ドル円相場が150円に接近していることについては、「今後の動向を注意深く見守る」としており、強い警戒感は感じられなかった。
また、米10年債利回りが一時4.17%台まで上昇しており、足元でも高止まりしている。先週末の3.94%付近から大幅に水準を上げてきている。来週には日銀決定会合が開催されるが、能登半島地震の影響もあって、今回はマイナス金利解除は見送られるとの見方がコンセンサスとなっている。日米金利差拡大の状況もドル買い圧力を通じてドル円相場を押し上げている状況だ。
上記のような状況とあっては、週末調整はドル円相場を拾う好機ととらえる向きもあるだろう。ただ、急速な上昇を続けるドル円相場に対する警戒感もあり、節目ごとに上昇力が鈍る局面もありそうだ。きょうは149円をめぐって神経質な値動きとなりそうだ。
この後の海外市場で発表される経済指標は、ドイツ生産者物価指数(12月)、英小売売上高(12月)、カナダ小売売上高(11月)、米ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)(1月)、米中古住宅販売件数(12月)、対米証券投資(11月)など。
発言イベント関連では、ラガルドECB総裁、グールズビー・シカゴ連銀総裁、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁、バーFRB副議長などの発言機会が予定されている。あすからは米金融当局者がFOMC会合を控えたブラックアウト期間に入る。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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