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為替相場まとめ12月11日から12月15日の週

為替 

11日からの週は、ドル売りが強まった。米FOMCが予想外のハト派姿勢をみせたことが背景。FOMCメンバーの来年の金利予測で75bp利下げが示された。パウエルFRB議長は利下げ開始に関する議論を行ったことを表明した。一方で、英中銀やECBは米国と同様に金利据え置きを発表も、声明などでは利下げの議論について時期尚早との従来からの姿勢を堅持した。ユーロドルは一時1.10台乗せ、ポンドドルは1.28の大台に迫る動きとみせた。ドル円は146円台から一時141円割れまで大幅に下落。来週19日の年内最後の日銀決定会合を控えて、市場にマイナス金利解除の観測が広がったことが背景。植田日銀総裁発言や関係者発言報道などに敏感に振幅する場面があった。円関連の短期ボラティリティーが急上昇しており、ドル安とともに円高リスクが高まる週となった。


(11日)
 東京市場は、ドル円が底堅く推移。前週末の米雇用統計が強含んだことを受けてドル円は145円台へと買われた。週明け東京市場では朝方の144.78近辺を安値に、その後は買いの流れが再燃。午後には145.67近辺まで水準を上げた。ユーロ円も買われ、155.70付近を安値に156.78近辺まで1円幅で上昇、午後は高止まりに。ユーロドルは1.07台後半での揉み合いに終始した。米雇用統計の好結果を受けて米国の早期利下げ開始期待が一服したことがドル売りの調整を促したことや、日経平均の大幅高を受けたリスク選好の動き、また今週の米消費者物価指数やFOMCなどの重要イベントを前に行き過ぎた円買いへの警戒感などが重なっていた。

 ロンドン市場は、円売りが優勢。ブルームバーグが日銀関係者の話として、日銀は今月マイナス金利解除を急ぐ必要はほとんどないと認識していると報じたことが円売り反応を広げた。ドル円は145円台半ばから一時146.45近辺まで買われた。先週の植田総裁発言を受けた円高の動きをほぼ戻す格好となった。クロス円も買われ、ユーロ円は156円台半ばから157円台半ばへ、ポンド円は182円台半ばから183.90付近へと上昇している。ユーロドルは一時1.0780付近、ポンドドルは1.2580付近へと高値を伸ばしている。対ユーロではややポンド買いが優勢。米10年債利回りは一時4.26%台に上昇。欧州株や米株先物・時間外取引は英FT指数が軟調なほかは、先週末終値付近での揉み合いとなっている。きょうは目立った経済統計発表は見当たらず、全般的には明日の米消費者物価指数の結果を見極めたいとのムードが広がっている。

 NY市場は、静かな取引が続いた。ドル円は146円台半ばでは上値を抑えられ上昇一服。ただ、146円台は維持しての高止まりとなった。先週は、日銀の植田総裁や氷見野副総裁の発言で早期のマイナス金利解除への思惑が高まり一時141円台まで急落していた。ただ、先週末に発表になった米雇用統計が予想を上回ったことや、「マイナス金利やイールドカーブコントロール(YCC)撤廃などを急ぐ必要はほとんどない」といった日銀関係者のコメントが伝わったこともあり、市場は冷静になっている。ユーロドルはやや上値重く、1.07台半ばでの推移。今週のECB理事会では金利据え置きが確実視されている。市場は来年の利下げ期待に対するヒントを探りたがっている状況。ポンドドルはロンドン時間に1.25台後半に上昇したが、NY市場では1.25台半ばに伸び悩んだ。明日は英雇用統計となっている。

(12日)
 東京市場では、ドル安・円高の動き。ドル円は146.10付近で取引を開始し、その後は売りが優勢、145円台半ばへと軟化した。米消費者物価指数発表を控えており、調整売りが入った。日経平均が午前の上げを午後には解消する場面があり、円買いとなった面も指摘された。米長期債利回りが4.28%台から4.20%台に低下したことがドル売りを誘った面も。ユーロ円は157円台前半から156円台半ばへ、ポンド円は183円台半ばから182円台後半へと下落。ユーロドルは1.07台後半でわずか11ポイントレンジにとどまった。

 ロンドン市場は、米消費者物価指数発表を控えてドル売りが優勢。米10年債利回りが4.24%付近から4.19%割れ水準まで低下しており、米インフレ鈍化が期待されているもよう。序盤はポンド売り・ユーロ買いの動きがみられた。ロンドン朝方に発表された8-10月の英ILO雇用統計で賃金の伸びが予想以上に鈍化したことがポンド売りを誘った。一方、その後発表された独ZEW景況感は予想を上回った。週後半には英中銀とECBの金融政策発表を控えており、これまでのポンド買い・ユーロ売りの流れに調整が入りやすい面も指摘される。ユーロドルは1.07台後半から1.08台乗せへと上昇。ポンドドルは1.25台後半から一時1.2550割れへと下落も、その後は買い戻されている。ドル円は上値重く推移しており、145.18付近に安値を広げている。クロス円はまちまち。ユーロ円は156円台後半で下げ渋り。ポンド円は183円台割れから182円台半ばへと軟化している。欧州株は堅調。独DAX指数が連日、最高値を更新している。

 NY市場では、ドルに買い戻しが入った。注目の11月米消費者物価指数は予想通りの結果だった。エネルギー・食品を除くコア指数も予想通りの内容。ドル円は発表直後に売り反応をみせ144.70台まで下落も、すぐに切り返して145.60台まで反発、その後は145円前後に落ち着いた。パウエル議長も動向を気にしている住居費を除くサービスインフレ、いわゆるスーパーコアが計算値で前月比が0.4%と前回の0.2%から上昇したことは注目される。あすのFOMCを控えて方向性定まらない展開だった。ユーロドルは米CPI発表直後に1.08ドル台に乗せる場面があったが、その後は1.07台後半へと反落した。ポンドドルは1.26台乗せから1.25台前半まで反落、その後は1.25台後半に下げ渋り。

(13日)
 東京市場は、FOMC待ちのムードで小動き。ドル円は午前中に145.19近辺まで売られたが、すぐに145円台半ば超えまで上昇。午後には145.70付近まで買われたあとは値動きが落ち着いた。ユーロ円は157円を挟んだ推移で、昨日海外市場でのレンジ内にとどまった。ユーロドルは1.0784-1.0800の狭いレンジ取引。NZ議会が本日、NZ中銀の責務を物価安定に戻す法案を可決した。NZ中銀は2018年から雇用の最大化と物価の安定という二つの責務が与えられていたが、物価の安定のみにもどす形となった。本来はタカ派材料であるが、NZドル相場はやや売りで反応。対ドルで2週間ぶり安値を付けた。

 ロンドン市場は、ユーロやポンドなど欧州通貨が軟調。ロンドン朝方に発表された10月の英月次GDPが前月比-0.3%と予想以上の低下となった。ポンド売りの反応が広がり、ユーロも連れ安となった。加えて、10月ユーロ圏鉱工業生産も予想以上のマイナスとなった。ポンドドルは1.25台後半から1.2510付近へ、ユーロドルは1.08手前で上値を抑えられると1.0773近辺まで下落。クロス円も上値が重く、ユーロ円は157円台半ばまで買われたあと157円付近に反落。ポンド円は一時183.15近辺に高値を伸ばしたあとは182.30付近に安値を広げている。ユーロ対ポンドではポンド売りが優勢。欧州株は総じて小高く推移しており、弱い経済指標が中銀の早期利下げ開始期待につながっているようだ。ドル円は146円目前まで買われたあと、145.60台へと押し戻されている。岸田首相は人事交代会見で、金融政策にも触れており、日銀には政府の取り組みも念頭に適切な判断期待したい、と述べた。全般的には米FOMCを控えていることもあり、前日レンジから離れずの取引となっている。

 NY市場では、ドル円が142円台に急落した。午後に発表になったFOMCの結果を受けてドル売りが強まった。FOMCはハト派サプライズとなった。政策金利は予想通りに据え置かれたが、FOMC委員の金利見通し(ドット・プロット)で、来年末時点の金利予想の中央値が4.625%(4.50-4.75%示唆)となっており、これは現行から計0.75%の利下げを見込んでいる。そこまでの利下げ予想は市場も想定していなかったであろう。また、声明でも、これまでの「必要なら追加利上げ実施」のところを「その度合いを精査する」に変えている。FRBはスタンスを市場の期待に傾け、本日のFOMCはハト派サプライズとなった印象が強い。その後のパウエル議長の会見でも「勝利宣言は時期尚早」と述べる一方で、利下げのタイミングを協議したことも明らかにしていた。短期金融市場では来年の利下げ幅を計1.50%近くまで織り込む動き。ユーロドルは一時1.09付近まで上昇。ポンドドルは1.26台へと買われた。ドル全面安となっている。クロス円はドル円急落とともに下落した。日米金利縮小観測を受けた円買いが入った。
 
(14日)
 東京市場では、ドル円が続落。前日の海外市場で来年の米利下げ観測が強まり、ドルが売られた流れを引き継いで、東京午前に142円台後半から141円台後半まで下落した。午後に入り、米10年債利回りが一時3.96%まで低下したことなどからドル売りが加速し、7月31日以来およそ4カ月半ぶりの安値水準となる140.97付近まで急落した。取引終盤にかけては141円台後半まで戻す場面があったが、米10年債利回りが低水準で推移していることから戻りも一服、141円半ばに落ち着いた。ユーロ円はドル円につれ安となり、昼過ぎに一時153.87付近まで下落。ユーロドルは昼過ぎに1日以来およそ2週間ぶりの高値水準となる1.0915付近まで上昇した。11月の豪雇用者数が市場予想を大きく上回ったことから豪ドルが買われ、NZドルも、つれ高となった。

 ロンドン市場は、ドル売り圧力が根強い。この後の英中銀とECBの金融政策発表を控えて、ポジション調整が入りやすい状況となるなかで、前日の米FOMCでみられたハト派への姿勢転換を受けたドル安圧力に押されている。米10年債利回りが引き続き低下しており、ロンドン序盤には3.93%台まで一時低下。ドル円は下げ一服。ロンドン序盤に142円台を回復したあとは141円台前半から後半で推移している。ユーロやポンドは神経質な動き。市場での英欧中銀の来年利下げ観測が高まる一方で、米国の利下げ観測も一段と織り込まれている。ユーロドルは1.0870台から1.0930付近、ポンドドルは1.2610付近から1.2680付近で売買が交錯しているが、足元では高値を伸ばす動き。きょうはスイス中銀が2会合連続で政策金利を据え置いた。今後の追加利上げに関する文言を削除した。ノルウェー中銀は据え置き観測が優勢だったが、利上げを実施、クローネ相場が急伸した。ただ、今後の利上げ打ち止め感もみられている。株式市場は、主要中銀が来年利下げに動くことが期待されるなかで、全面高商状。前日の米ダウ平均に続いて、独仏株価指数も最高値を更新している。

 NY市場では、ドル円が反発。東京市場で瞬時140円台まで下落する場面があったが、その後は値ごろ感からのショートカバーに入り、NY時間には一時142円台まで戻した。ただ、前日からの急落で下向きの流れが更に加速した雰囲気もあり、上値では戻り待ちの売りオーダーも数多く並んでいたようだ。前日のFOMCを受けてエコノミストからもハト派な予想が相次いでおり、FRBは5月から計1.50%ポイントの利下げを実施し、25年初頭にはさらに計1.00%ポイントの利下げを実施する可能性があるとの見方が出ている。ユーロドルは一時1.10台を回復。ECBは声明でインフレ目標の2%達成には政策金利を現行の高水準に据え置く必要があるとの姿勢を強調した。ラガルド総裁も「利下げは議論しなかった」として、市場の利下げ期待を完全に後退させている。また、ECBはパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)で保有した国債の再投資を来年下半期から縮小し、来年末までには終了する方針も示している。前日のFRBとは真逆にタカ派姿勢を強調する内容となった。ポンドドルは買われ、一時1.28台に迫る動き。英中銀は政策金利を予想通りに据え置いた。注目されていた委員の投票行動は9名の委員のうち前回と変わらずに3名が利上げを主張していた。利上げを主張する委員がいることは予想通りではあったものの、前日のFOMCでFRBがハト派姿勢にシフトした後では、タカ派な印象も強かったようだ。ベイリー英中銀総裁も「利下げに関する議論は時期尚早」と述べていた。ただ、市場は来年の利下げ期待を若干後退させたものの、計1.00%ポイント以上の利下げ予想は変えていない。

(15日)
 東京市場は、円相場が方向性なく振幅した。朝方からは円売りが優勢となった。ドル円は142.47近辺、ユーロ円は156.49近辺まで買われた。米債利回り上昇や、ゴトー日関連のドル買い需要などが影響したもよう。日経平均が一時400円高となったことも円売り材料に。しかし、この動きは続かず、午後にかけてはドル円は141.57近辺、ユーロ円は155.67近辺まで反落。日経平均は284円高で引けた。ドル円は142円前後、ユーロ円は156円前後と、いずれも前日終値付近に戻した。

  ロンドン市場は、根強い円買いの動きとなっている。ロンドン序盤に米債利回りが低下、ドル円は142円付近から141.47近辺に安値を広げている。欧州通貨はまちまち。ユーロドルは一連の12月欧州PMI速報値が弱含んだことを受けて売りに押され、1.0990付近から一時1.0950割れ水準まで下落。ユーロ円も上値が重く156円付近から155円手前まで下落。一方、ポンドドルはやや売りに押されたあと、12月英非製造業PMI速報値が予想以上に回復したことで1.27台半ばから1.2790付近まで上昇した。ポンド円は180.50割れまで下げた後は181円台を回復している。独連銀は来年のドイツ経済成長見通しを従来の+1.2%から+0.4%へと大きく下方修正した。前日のECB理事会を終えて、ECBメンバーはタカ・ハトそれぞれの見方を示しているが、現在の金利水準をしばらく継続することでは認識が一致していた。

 ドル円はNY時間に入って上下動した。141円台でNY時間に入ってきたものの、ウィリアムズNY連銀総裁の発言でドル買いが強まり、ドル円は142.40円近辺まで一気に上昇した。総裁は「現在、利下げについて全く協議していない。3月利下げについて考えるのは時期尚早」などと述べ、FOMC後の市場のムードをけん制してきたようだ。ただ、ドル円は上値での戻り売り圧力も形成されているようで、200日線が控える142.50円付近を試す前に141円台に失速している。200日線は上値レジスタンスとして機能し始めている模様。終盤になって142円台に再び戻したものの、200日線の水準には慎重なようだ。

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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