ドル買い先行後、米債利回り低下とともに一服 ドル円は一時１４９円台＝ロンドン為替概況

ドル買い先行後、米債利回り低下とともに一服　ドル円は一時１４９円台＝ロンドン為替概況

　ロンドン市場は、米債利回り低下とともにドル買いが一服。東京午後からロンドン朝方にかけてはドル買いの動きが先行した。ドル円は149円台乗せから149.19近辺まで買われ、年初来高値を塗り替えている。しかし、その後は米債利回りが低下する動きやタイミング良く鈴木財務相の円安けん制発言が入ったことで148.80付近まで下押しされた。その後も149円台は重く、調整の動きが続いている。ユーロドルは序盤に1.0570近辺までドル高が進行したあとは、1.06ちょうど付近へと買い戻されている。ポンドドルは1.22付近から1.2168近辺まで下押しされたあとも1.21台後半にとどまっている。全般に前日からのドル高の流れにいったん調整が入る格好となっている。ただ、ドル指数の高止まりに示されるように流れ自体に変化はみられていない。欧州株や米株先物・時間外取引は軟調に推移。高金利が経済の重石となることが警戒されているもよう。ただ、円相場はまちまち。ポンド円や豪ドル円は上値重く推移も、ユーロ円は下げ渋り。この時間帯のユーロ相場はその他主要通貨に対して幅広く買われている。ＥＣＢ当局者らからは一段の利上げには否定的だが、利下げ時期について検討することも否定、インフレ目標達成は２０２５年など金利が高水準でより長期にわたって維持される見込みが示唆されている。

　ドル円は148円台後半での取引。東京午前の148.71近辺を安値に、東京午後からロンドン朝方にかけては149円台乗せから149.19近辺まで高値を伸ばした。年初来高値を再び塗り替えている。しかし、ロンドン勢が本格参加すると米債利回りの低下とともに148.80近辺まで押し戻された。鈴木財務相の円安けん制発言もタイミング良く報じられていた。目先は149円付近が重くなっている。

　ユーロドルは1.06付近での取引。東京市場で1.05台後半で揉み合ったあと、ロンドン朝方には1.0570近辺に安値を広げた。しかし、その後は米債利回りの低下とともに買い戻されて1.06ちょうど付近まで反発。その後も高止まりとなっている。ユーロ円は東京朝方の157.38近辺を安値に、その後は157円台後半での取引が続いている。ロンドン市場では157.93近辺まで高値を伸ばしたが、158円台には届かず。対ポンドでのユーロ買いが入っており、ユーロは底堅く推移している。独債利回りが上昇しており、ＥＣＢが金利を長期間のわたり高水準に維持するとの見方が定着してきているもよう。

　ポンドドルは1.21台後半での取引。東京早朝につけた1.2217近辺を高値に、その後は上値重く推移している。ロンドン序盤には1.2168近辺に安値を広げた。その後も反発の動きは限定的。ポンド円は東京午前の181.88近辺を高値に軟調な流れ。ロンドン序盤には181.12近辺に安値を広げた。その後は下げ渋りも181円台半ばまでにとどまっている。ユーロポンドは0.8670付近から0.87ちょうど付近へと上昇。総じてポンド売りが優勢になっている。英中銀の政策金利については、ＥＣＢほどの高止まり観測はまだ定着していないようだ。

minkabu PRESS編集部 松木秀明