ドル買いと円買いが優勢、ウクライナ情勢の緊迫やECBインフレ期待の低下など=ロンドン為替概況
ドル買いと円買いが優勢、ウクライナ情勢の緊迫やECBインフレ期待の低下など=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ドル買いと円買いが優勢。ロンドン序盤までは予想外の豪中銀利上げを受けた豪ドル買いの影響でドル売り圧力が優勢だったが、ロンドン時間に入るドル買いに転じている。ウクライナ情勢が再び緊迫化しており、欧州株などが上値重く推移。リスク回避圧力がかかっている。また、ECB消費者インフレ期待調査では「インフレ期待が著しく低下、前月の上昇の大部分を戻している」としており、ユーロ売りにつながった面も指摘される。クノット・オランダ中銀総裁はインフレ目標に戻ること確認するまで引き締めを継続とこれまでの主張を展開したが、これはステップ・バイ・ステップのやり方で行うべき、とやや慎重さもみられていた。ユーロドルは1.0730付近まで買われたあと、1.0680台まで下押しされた。ユーロ円も149.60付近から下放れて一時149円台割れとなった。ポンドもほぼ同様の動き。ポンドドルは1.24台半ばから1.24手前水準へ、ポンド円は173円台後半から172.70付近まで下押しされた。ドル円は売りが先行して139.10近辺まで下落した後は、クロス円の下げ渋りとともに139.40台に下げ渋っている。
ドル円139円台前半での取引。東京午前につけた139.66近辺を高値にその後は上値重く推移。ロンドン序盤には欧州株安や米債利回り低下とともに139.10近辺まで下落。その後は全般的にドルが買われるなかで139.40台へと下げ渋っている。
ユーロドルは1.07付近での取引。東京午後からロンドン朝方にかけて1.0733近辺まで高値を伸ばしたが、ロンドン勢の参加とともに反落。1.07台割れから一時1.0683近辺まで下押しされた。その後はやや下げ渋っている。ユーロ円は149.60付近での揉み合いを下放れると一時148.83近辺まで安値を広げた。足元では149円台を回復している。対ポンドで売買が交錯しており、方向性に欠けている。ECB消費者インフレ期待が著しく低下したことでユーロの上値を抑えた面もあった。また、ウクライナ情勢の緊迫化が地政学リスクとなる面も指摘されている。
ポンドドルは1.24台前半での取引。東京午後に1.2459近辺の高値を付けた後は、売りに流れが転じている。ロンドン序盤には1.2403近辺まで下押しされた。その後も1.24台前半での取引が続いている。ポンド円は173.60-70レベルでの揉み合いを下放れると172.68近辺に安値を広げた。その後は173円台前半へ下げ渋り。ユーロポンドは0.8610台から0.8620台での揉み合いが続いており、方向性に欠けている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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