FX/為替「ドル/円、円売りプラスドル買いで132円台 FRB議長講演に注目」 外為どっとコム トゥデイ 2023年2月7日号
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年2月7日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼6日(月)の為替相場
(1):日銀次期総裁の観測報道で円安でスタート
(2):英要人発言相次ぐ
(3):複数の政府要人、相次ぎ日銀人事についての観測報道を打ち消す
(4):ドル/円約1カ月ぶり高値
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:FRB議長講演に注目/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
6日(月)の為替相場
期間:6日(月)午前7時00分~7日(火)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):日銀次期総裁の観測報道で円安でスタート
未明に日経新聞が「日本政府が日銀の黒田総裁の後任候補として雨宮副総裁に就任を打診した」と報じた。市場ではハト派と認識されている雨宮氏が最有力候補と伝わったことで、大規模金融緩和政策の早期修正観測が後退し、円売りが急激に進んだ。ドル/円は132円台へ「マド」を開けて上昇した他、クロス円も前週末の終値から上昇してスタートした。
(2):英要人発言相次ぐ
英中銀(BOE)のマン金融政策委員会(MPC)委員は「われわれは軌道を維持する必要がある」とし「インフレ期待に大幅な上昇リスクが依然として存在し、次の動きは政策金利据え置きよりも追加利上げになる可能性が高い」と発言した。これより後には、BOEのピルMPC委員兼チーフエコノミストも「潜在的なインフレの持続性についてより懸念している」と述べた。BOEは、前週のMPCでインフレがピークに達した可能性があるとの見解を示していた。
(3):複数の政府要人、相次ぎ日銀人事についての観測報道を打ち消す
茂木自民党幹事長が『雨宮副総裁に日銀総裁打診』との報道について「そのような事実はない」と否定。「日銀人事はこれからが最終調整の局面」と述べた。なお、この日は鈴木財務相や磯崎官房副長官らも同報道は事実ではないとの見解を示した。そうした発言に円買いで反応する場面もあったが、いずれも一時的だった。
(4):ドル/円約1カ月ぶり高値
先週末の米1月雇用統計の強い結果などから米利上げ停止観測が後退する中、ドル/円は1月6日以来となる132.90円前後まで続伸。翌日から総額960億ドルの国債入札を控えていることもあって米長期金利はこの日も上昇した。
6日(月)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
【情報提供:外為どっとコム】
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:FRB議長講演に注目
昨日のドル/円は終値ベースで約1.1%上昇。日本政府が次期日銀総裁として雨宮現副総裁に就任を打診したとの報道を受けて日銀の緩和修正期待が後退すると円売りが強まった。海外市場では、前週末の米1月雇用統計の強い結果を受けて米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ長期化観測が再燃したことでドルが続伸。ドル/円は1カ月ぶりに132.90円前後まで上値を伸ばした。
本日はパウエルFRB議長の講演(インタビュー)に市場の注目が集まりそうだ。先週の連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見では、議長が「ディスインフレ(物価上昇ペースの鈍化)」との単語を多用したことなどからハト派的と受け止められた。パウエル議長がハト派トーンを修正するかどうかが、ドル/円の133円台に向けた続伸のカギを握ることになりそうだ。仮に、議長がハト派トーンを堅持するようなら足元の急伸の反動で大きく調整することも考えられる。
注目の経済指標:豪政策金利発表
注目のイベント:米要人発言
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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