ダウ平均は続伸 米ＣＰＩはインフレ鈍化を示し、利上げペース縮小期待が強まる＝米国株概況

NY株式12日（NY時間16:20）
ダウ平均　　　34189.97（+216.96　+0.64%）
S＆P500　　　　3983.17（+13.56　+0.34%）
ナスダック　　　11001.11（+69.44　+0.64%）
CME日経平均先物　26225（大証終比：-145　-0.55%）

　きょうのＮＹ株式市場でダウ平均は続伸。一時３００ドル超上昇する場面も見られた。取引開始前に発表になった米消費者物価指数（ＣＰＩ）は予想通りにインフレの鈍化傾向を示した。次回ＦＯＭＣでの０．２５％ポイントの通常利上げを市場が確信する内容となっている。

　しかし、米株式市場の一部には、今回の米ＣＰＩは予想以上に低下し、早期の利上げ停止および、年内の利下げを期待させるような内容になるのとの観測もあったようだ。そのため、好ましいものの若干物足りないとの印象もあり、数字を受けた米株式市場は方向性を見出すのに苦労している模様。

　市場からは、「押し目買いの流れは今後数週間は維持されるだろう。しかし、本日の米ＣＰＩだけでは楽観派が必要とする、あるいはＦＲＢが必要とするカタリストにはならない」との声も出ていた。

　しかし、昨年までの悲観的なムードは後退しており、リセッション（景気後退）もマイルドなものになるとの見方を強める中、株式市場は年始からの買い戻しの動きを継続している模様。

　エネルギーや銀行、産業が上昇の一方、軟調に推移していたＩＴ・ハイテク株にも買いが広がっている。

　ディズニー＜DIS＞が上昇し、ダウ平均をサポート。同社はアクティビスト（物言う投資家）のペルツ氏を取締役会メンバーに起用するというトライアン・パートナーズの提案を拒否した。これに対してトライアンは本日の朝、株主に彼の指名を支持するよう求める予備的委任状を提出している。

　アメリカン航空＜AAL＞が上昇。取引開始前に１０－１２月期（第４四半期）の暫定決算を公表し、売上高は２０１９年比で１６－１７％増と従来予想の１３％増から上方修正した。堅調な年末年始の旅行需要に支えられた。

　医薬品のオラメド・ファーマシューティカルズ＜ORMP＞が％急落。２型糖尿病患者を対象とした後期臨床試験で経口のインスリン「ＯＲＭＤ－０８０１」が失敗に終わった。

　キーボードやマウスなどＰＣ周辺機器を手掛けるロジテック・インターナショナル＜LOGI＞が大幅安。１０－１２月期（第３四半期）の暫定決算を公表し、売上高が予想を下回った。また、通期のガイダンスについても、売上高見通しを下方修正した。

　人工知能（ＡＩ）開発のビッグベア・ａｉ＜BBAI＞が急騰。米空軍から９億ドルのＩＤＩＱ（数量未確定契約）を獲得したと発表した。

　企業向けＩＴ管理システムのサービスナウ＜NOW＞が５日続伸。アナリストが同社の成長性を指摘し、投資判断の「買い」を継続している。同アナリストの顧客調査がポジティブだったという。

　映画館運営のシネマーク＜CNK＞が上昇。アナリストが投資判断を「買い」に引き上げた。

　住宅建設のＫＢホーム＜KBH＞が決算を受け下落。１株利益、売上高、引き渡し件数などすべてが予想を下回った。

　鉄鋼のクリーブランド・クリフス＜CLF＞が上昇。アナリストが投資判断を「買い」に引き上げ、目標株価を従来の１３．６０ドルから２６．００ドルに引き上げた。

アメリカン航空＜AAL＞　16.83（+1.49　+9.71%）
ディズニー＜DIS＞　99.81（+3.48　+3.61%）
オラメド＜ORMP＞　2.54（-8.25　-76.46%）
ロジテック＜LOGI＞　56.66（-11.49　-16.86%）
ビッグベア・ａｉ＜BBAI＞　3.05（+2.20　+260.48%）
サービスナウ＜NOW＞　413.26（+19.48　+4.95%）
シネマーク＜CNK＞　10.49（+0.96　+10.07%）
ＫＢホーム＜KBH＞　34.91（-1.03　-2.87%）
クリーブランド・クリフス＜CLF＞　20.90（+1.67　+8.68%）

アップル＜AAPL＞　133.41（-0.08　-0.06%）
マイクロソフト＜MSFT＞　238.51（+2.74　+1.16%）
アマゾン＜AMZN＞　95.27（+0.18　+0.19%）
アルファベットC＜GOOG＞　91.91（-0.35　-0.38%）
テスラ＜TSLA＞　123.56（+0.34　+0.28%）
メタ・プラットフォームズ＜META＞　136.71（+3.82　+2.87%）
ＡＭＤ＜AMD＞　70.80（+1.74　+2.52%）
エヌビディア＜NVDA＞　165.11（+5.10　+3.19%）

MINKABU PRESS編集部　野沢卓美