広告を非表示にする
ad hide img

みんかぶプレミアム会員なら
広告非表示で利用できます

※サイトからのお知らせは除きます

FOMC受け上下動 終盤にリスク回避のドル買い=NY為替概況

今日の為替 

 きょうのNY為替市場、FOMCの結果を受け、為替市場は激しく上下動した。政策金利は0.75%利上げと予想通りではあったものの、FOMC委員の金利見通し(ドット・プロット)で22年末の金利見通しの中央値が4.375%と予想よりも高かったことでドル買いの反応を強めた。23年末は4.625%となっている。ドル円は144.70円付近まで急上昇したものの、今度はパウエルFRB議長の会見を受けて、143円台に一気に伸び悩んだ。

 議長は「いつか利上げペースを落とすのが適切なる。労働市場は幾分軟化する可能性が非常に高い。いつか利上げペースを落として効果を見極める可能性」などと、幾分タカ派色を和らげる発言を行ったことから、米国債利回りの下げと伴に為替市場はドル売りの反応を強めた。一方、議長は「景気を維持したまま米経済をソフトランディングさせるのは非常に困難」との見解を示している。米株式市場が一気に売りを強め、終盤にはリスク回避のドル買いが見られた。

 ドル円はFOMCの結果を受けて、144.70円付近まで上昇後、パウエル議長の会見を受けて一時143円台半ばに急速に伸び悩む目まぐるしい展開が見られた。ただ、終盤にはリスク回避のドル買いから144円台に戻す展開。

 一部からは、FOMCをきっかけにドルはしばらく調整に入るとの見方も出ていた。現在のドルは大きく駆け上がっており、過熱気味にもなっていることから、今後数日から数週間の間に何らかの形で調整が行われることが予想されるという。むしろ、一時的にECBの大幅利上げに市場の焦点が移る可能性があるとの声も聞かれる。きょうはその雰囲気が一時的に出たのかもしれないが、中期的にはFRBのタカ派姿勢がドルを下支えするという。

 ユーロドルも上下動したものの、結局、0.98ドル台に下落。一時0.98ドル台前半まで下落し、年初来安値を更新。きょうの下げで21日線を下放れる展開を見せており、下向きの流れが加速している。FOMCを通過して今度はECBのタカ派姿勢に市場の焦点が移る可能性も指摘されているものの、ユーロドルは依然として上値が重い。明日以降、パリティ(1.00ドル)回復を目指すか、それとも下放れを加速させるか注目される。

 ポンドドルは一時1.12ドル台半ばまで急落。1985年以来の安値水準を更新。FRBのタカ派姿勢の他にトラス首相の財政政策への懸念もポンドを圧迫している。財政刺激策は通常、英経済の先行きに対する懸念を和らげるが、市場では同時に、財政の持続性への疑念を煽ることになり、ポンドにとってはマイナスとの見方を有力視しているようだ。トラス英首相はきょう、法人税と国民保険料を予定通りに引き上げない方針を打ち出していた。税制の簡素化も目指すとしている。詳細は金曜日にクワーテング英財務相が発表する予定。

 明日は英中銀金融政策委員会(MPC)が開催される。市場では0.50%ポイントの利上げが見込まれている。ただ一部からは、金融引き締めの前倒しが各国中銀のコンセンサスになりつつある中、英中銀は予想以上のサプライズ利上げを打ち出すのではとの声も出ている。前日はスウェーデン中銀が予想されていた0.75%ポイントの利上げではなく、1.00%ポイントのサプライズ利上げを実施していた。ただ、トラス政
権のエネルギー価格抑制策や、英景気の先行き不安が強まる中で、英中銀は0.50%ポイントの利上げに留めるとの見方が有力視されている。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

為替ニュース/コラム

一覧を見る

注目ニュース

新着ニュース

ad hide img

みんかぶプレミアム会員なら
広告非表示で利用できます

※サイトからのお知らせは除きます

ad hide img

みんかぶプレミアム会員なら
広告非表示で利用できます

※サイトからのお知らせは除きます

主要通貨レート

直近24時間の重要経済指標

Pick Up 雇用統計 FOMC

ad hide img

みんかぶプレミアム会員なら
広告非表示で利用できます

※サイトからのお知らせは除きます