ドル円は113.65円近辺と本日高値圏で推移=NY為替後半
NY時間の終盤に入ってドル円は113.65円近辺と本日高値圏で推移している。きょうのNY為替市場はドル高の動きは一服していたものの、ドル円は上値追いの動き続けている。ロンドン時間に113円台前半に値を落とす場面が見られたものの、下値での押し目買い意欲も強く下押す気配はない。そのような中で米株式市場が大幅に反発していることから、ドル円も下値での押し目買いが活発に入っていた模様。
朝方発表になった米経済指標では、米新規失業保険申請件数が29.3万件と30万件を下回り、9月の生産者物価指数が前月比0.5%と予想こそ下回ったものの、インフレ上昇の長期化の兆候を示している。米経済指標がFRBの利上げ期待を裏付ける中で、ドル円も下値をサポートされているが、テクニカル的には過熱感が強まっており、調整の動きも見られている。しかし、あくまで調整の範囲で上値追いの強気トレンドは依然として有効のようだ。
直近高値は113.80円付近だが、この水準を突破して114円台を試すか注目。目先は114.20円付近が上値メドとし意識されそうだ。一方、下値サポートは112.80円が意識され、この水準を完全にブレイクするようであれば、調整色が一旦強まる可能性は留意される。
ユーロドルは買い戻しが優勢となり、一時1.1625ドル付近まで上昇する場面がみられた。しかし、基本的には過熱感からの自律反発の範囲で、本格的な買い戻しのモメンタムはない。上値では戻り売り圧力も根強く出るようだ。
米国とドイツの最新のインフレ指標は、FRB、ECBに対する市場の期待に変化を与えることはないだろうとの指摘も聞かれる。FRBの場合、11月から資産購入ペースの縮小を開始が見込まれており、それに続き2022年半ば以降から段階的な利上げへの期待も高まっている。一方、ECBもFRBと方向感は同じではあるものの、6カ月から1年のタイムラグがあると見られている。なお、9月のインフレ率はドイツが4.1%、米国は5.4%だった。
ポンドドルはNY時間に入って伸び悩んだものの、きょうは一時1.3735ドル付近まで買い戻される場面がみられた。本日の上げでポンドドルのロ-ソク足は完全に21日線の上に出ており、リバウンド相場への期待を高めている。
ドル高の流れにもかかわらず、英中銀の早期利上げ期待を背景にポンドドルは底堅い動きを見せている印象。しかし、英国の深刻な供給問題、労働力不足、高インフレへの懸念を反映し、早期利上げ期待によるポンド高は限定的になることが予想されるとの見方も出ている。世界が経験している供給不足の多くは、繰延需要は一時的との予想を反映したものだが、それはEU離脱に関連した英国にはあてはまらないという。英政府はEUとの離脱交渉において頑なな立場を貫いており、さらなる政治的および経済的リスクに直面している。英中銀の早期利上げをもってしても、それらの要因がポンドの更なる上昇を難しくするという。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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