ドル売り広がる、米債利回り低下に米株先物上昇=ロンドン為替概況
ドル売り広がる、米債利回り低下に米株先物上昇=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ドル売りが広がっている。前日の米消費者物価指数は予想を上回ったものの、米債利回りが低下し、ドル買い反応からドル売り方向へと転じた。今日の東京市場ではやや値動きが停滞したが、ロンドン時間に入ると再びドル売りが強まっている。ポンドドルが主導しており、1.3660近辺から1.3730台へと上伸。ユーロドルも連れ高となり1.1590付近から一時1.1620台まで買われた。ドル円は113.50台まで買われていたが、ロンドン時間には113.30近辺まで押し戻されている。米10年債利回りはロンドン朝方に1.565%まで上昇したあと、1.52%台へと低下。欧州株や米株先物は続伸している。リスク警戒の後退もあってクロス円が堅調。ポンド円は155円台前半から155.60台へ、ユーロ円は131.80近辺まで高値を伸ばした。ただ、ユーロは対ポンドでの売りに押されており、対ドル、対円でも上昇は一服している。原油先物が堅調で、豪ドルが買われている。豪雇用統計や新型コロナ感染拡大などの悪材料をこなして、対ドル0.74台、対円84円台へと乗せている。トルコリラは対ドルで最安値を更新。エルドアン大統領が中銀高官3名を解任したと報じられたことが背景。
ドル円は113円台前半での取引。東京市場で113.20付近から113.60近辺まで買われたあと、ロンドン時間に入ると売りに押されている。一時113.30近辺まで反落した。米債利回りの低下に欧州通貨が対ドルで買われており、ドル円は上値が重くなっている。
ユーロドルは1.16台前半での取引。ドル安の動きが広がるなかで、1.1590近辺から1.1624レベルまで高値を伸ばした。ただ、対ポンドでの売りが入り、ユーロドルは伸びを欠いている。ユーロ円は一時131.80近辺に高値を伸ばしたが、ユーロドルと同様に上値を抑えられて131.50付近まで反落する場面もあった。ラガルドECB総裁は、インフレに二次的な影響生じている証拠は現時点でない、政策支援を時期尚早に引き揚げないこと肝要、などと述べており、ハト派姿勢を維持した。
ポンドドルは1.37台前半での取引。ドル売りの動きを主導する形で1.3660付近から1.3734レベルまで上伸した。その後の下げも限定的。ポンド円は155円台前半から155.64レベルまで高値を伸ばした。足元でも高値付近で推移している。ユーロポンドが軟調。0.8480近辺から0.8450台へと下落した。ポンド自体の新規材料は見当たらない。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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