【これからの見通し】週末に向けて相場が動意付くか、きょうは英中銀
【これからの見通し】週末に向けて相場が動意付くか、きょうは英中銀
ドル相場は停滞している。4月を通してのドル安の流れは、4月末にドル買いが入ったことで一服。しかし、5月相場は日替わりでの上下動にととまっており、方向性が見いだせなくなっている。
新型コロナに関する各国の状況の差異がテーマだが、これまでワクチン接種に出遅れていた欧州がキャッチアップしてきたことで、次第に話題性が薄れてきているようだ。相場のテーマは経済ファンダメンタルズが基本だが、このところの経済指標は各国押しなべて良好なものが多くなってきている。あとは、各国中銀の金融政策姿勢をチェックすることとなろう。
きょうは英中銀とトルコ中銀の金融政策が発表される。トルコ中銀は政策金利を現行の19%に据え置く見込み。最新のトルコ中銀の今後12カ月のインフレ率予想は11.81%に引き上げられている。政策金利を高水準にとどめることは必須であろう。ただ、エルドアン大統領からの利下げ圧力は常に意識されており、ファンダメンタルズと乖離する金融政策行動がみられるようだと、市場は鋭く反応しそうだ。
英中銀は金融政策委員会(MPC)の結果を発表する。政策金利および資産購入枠は現行水準に据え置きとなる見込み。また、四半期ごとの金融政策報告やベイリー英中銀総裁の会見が予定されている。新型コロナワクチンの接種が進展するなかで、制限措置の段階的な解除が始まっており、経済見通しは引き上げられるだろう。資産購入のペース配分についてはややペースダウンさせるとの観測がでている。ただ、基本線としての緩和継続は強調されそうだ。ベイリー総裁会見で、強気と慎重の間のサジ加減を探ることになる。
その他の経済指標発表としては、英非製造業PMI・確報値(4月)、米新規失業保険申請件数(1日までの週)、米非農業部門労働生産性・速報値(第1四半期)などが予定されている。
発言イベント関連では、デベル豪中銀副総裁、デギンドスECB副総裁、ラガルドECB総裁、ウィリアムズNY連銀総裁、シュナーベルECB理事、カプラン・ダラス連銀総裁、メスター・クリーブランド連銀総裁などの講演やイベント参加が予定されている。ECB月例報告とFRB金融安定報告が公表される。米主要企業決算は、ドロップボックス、スクエア、エクスペディア、トリップアドバイザー、タペストリー、モデルナ、ロク、シェイクシャック、ビヨンドミート、モンスタービバレッジ、リジェネロンなど。
また、きょうは英スコットランド議会選挙が実施される。独立派の優勢が伝えられているが、過半数獲得は難しいと報じられている。ジョンソン英首相は、コロナ対応についてアピールすることで巻き返しを狙っている。結果判明は一両日程度かかりそうだが、出口調査などの報道で大勢が判明することもあり注意はしておきたい。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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