ドル円は慎重ながらも110円を試しそうな気配持続=NY為替概況
きょうのNY為替市場でドル円は109円台後半に上げ幅を広げている。心理的節目の110円にはなお慎重な気配もあるが、下値での底堅い動きから110円を試しそうな気配を持続させている状況。期末に絡んだドル買いフローも出ていたようだ。
ドルは揉み合いから、もう一段の上値追いの動きが出ている。この動きをみて市場からは、もうしばらくドルの上値追いは続くとの見方も出ている。今年後半にはドルは失速が予想されるものの、ワクチン展開などで欧州を始めとした世界各国が回復軌道を見せるまでは、米国や英国との差が意識され続けるという。そのような中でドル円も110円台を回復し、113円までの上昇の可能性も指摘され始めているようだ。ただ、過熱感を測る指標であるRSIは75に再浮上しており、過熱感の高まりは留意される。
今週は週末に3月の米雇用統計、その前にADP雇用統計の発表が予定されているが、3月は封鎖措置の緩和や2月の寒波からの復活で強い数字が見込まれているようだ。それへの期待もドル買いを誘発している模様。
ユーロドルは1.17ドル台での推移が続いた。ドル買いの動きが再び優勢となる中で、先週のユーロドルは200日線を割り込んでいる。週明けのユーロドルは下げの動きを一服させたものの、積極的に買い戻す勢いもなく、上値の重い展開が続いている。
ECBが先週のパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)に基づく債券の購入結果を公表しており、償還との差し引きで190億ユーロとなった。前週の211億ユーロからは若干減少したものの、引き続き週200億ユーロペースでの購入となっている。特に市場の反応はなし。
ポンドドルは序盤に1.38ドル台まで買い戻されたものの、再び1.37ドル台に下落。ワクチン輸出に関するEUとの対立は懸念として燻るものの、双方がワクチン共有を巡る対立の解消を示唆していことから、市場もひとまず様子見といった状況。市場は引き続き、英国でのワクチン展開の早さによる回復期待を高めている。ただ、英中銀がこの日発表した2月分の信用データからは、2月の月次GDPは、1月の2.9%縮小から大幅には改善しなかったことを示唆している。2月の英消費者信用残高によると、英消費者は2月に12億ポンドの無担保ローンを返済しており、1月の27億ポンドの返済に引き続き、個人消費に大きな回復がなかったことを示していた。
先日発表の英予算案では設備投資促進税制が導入され、2021年から23年の間の新規設備投資に対して、その額の130%を控除できる税優遇策が打ち出されている。しかし、市場からは、同税制は企業の借入れを支援する可能性がある一方、企業の債務水準はすでに高水準にあり、期待ほど設備投資は伸びない可能性も指摘されているようだ。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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