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今週のまとめ7月27日から7月31日の週

為替 

 27日からの週は、ドル売りが優勢だった。これまでの新型コロナ相場においては、リスク警戒のドル買い、それに対するリスク選好のドル売りの構図が定着してきたが、足元ではやや様子が変化してきているようだ。米FOMC会合、米GDP速報値(第2四半期)など米国の主要イベントを経て、市場には新型コロナの第2波が米国で強まってきていることへの警戒感が改めて広がってきている。米国経済が今後も低迷するようであれば、米金融当局の超低金利政策がより一層長期化するとの見方が強まる。金利面からのドル安圧力が市場のテーマに押し出されているようだ。ポンドドルは1.28近辺から1.31台乗せへ、1.30レベルが心理的節目となっていたが、この水準をしっかりと上抜けた。続いてユーロドルも堅調。1.17-1.18での揉み合いを経て、1.18台後半から次の1.19の大台を意識。豪ドル/ドルは0.71から0.72での振幅が続いたあと、ようやく0.72台に乗せる動き。そして、ドル円は105円を挟んで売買が交錯していたが、104円台前半へと下放れした。週末にかけてはドルに買い戻しが入ったが、大きなドル売りの流れには変化はみられていない。


(27日)
 東京市場は、ドル売り優勢。先週末から一段とドル安。円高の動きが強まっている。先週は米株高や新型コロナウイルスのワクチン開発期待などでドル安が進行したあと、米中関係悪化懸念を受けた円高の動きが加わった。週明けのドル円は一時106円付近に反発して始まったが、東京市場ではドル売り・円買いの動きが再燃、105.50割れまで下落した。ユーロドルは一段高。1.16台半ばから1.1700目前まで買われたあとやや揉み合ったが、再び上値を試して1.1720台まで上昇した。ユーロ円は振幅。123円台半ばから123円台後半で上に往ってこいとなった。基本的にはドル安の流れで、ドル指数は2018年9月以来の93台まで一時低下した。

 ロンドン市場で、ドル円は一段安。東京市場からの流れで上値は重く、一時105.24近辺まで下値を広げた。ユーロドルは上昇傾向が継続。1.17ちょうど付近で揉み合ったあと、ドル円の下落とともにドル売りが強まり、1.1760台まで買われた。ユーロ円は売り先行。123円台後半から123.23近辺まで一時下落。その後は買いに転じて高値を123.88近辺まで伸ばす荒っぽい値動きだった。ユーロは対ポンドなどでもロンドン午後に入って買いが入る展開となっており、ユーロポンドは0.9450近くまでと先月末以来の水準に上昇。

 NY市場での、ドル安の動きが続いた。ドル円は105円をうかがう動きがみられた。ただ、105円ちょうど付近には日本の機関投資家やオプション絡みの買いが相当程度観測されており、買い圧力も強そうだ。これまではリスク選好のドル売りだったが、ここに来て、米景気の先行き不安による素直なドル売りへの変化の気配も見られる。米国内では感染第2波の拡大が一向に収束の気配を見せない中で、再封鎖などへの警戒感も高まっている。米中対立もエスカレートの動きを見せる中で、為替市場はドル売りを活発化させている。ユーロドルは1.1780近辺まで一時上昇。欧州での感染が米国ほど深刻ではないことや、EU復興基金合意などユーロ下支え材料が指摘されている。ポンドドルは一時1.29台に乗せた。ポンドの好材料は特に見当たらないものの、引き続き根強いドル安がポンドドルを押し上げている。ただ、対ユーロでは上値が重かった。

(28日)
 東京市場では、ドルに買い戻しが入った。ドル円は前日の海外市場で105.12近辺の安値をつけた。東京朝方には105円台前半で取引されたが、東京勢が本格的に参加するとドル買いが膨らみ、105.69近辺まで反発した。機関投資家やオプション関連のドル買いが観測された。ユーロドルはドル安調整の動きに押されて、1.17台後半から一時1.1714近辺まで反落。1.17台前半での弱保ち合いとなった。ユーロ円は123円台後半で揉み合った。ドル安調整の動きは金相場にもみられた。NY金先物は節目となる2000ドルをつけたあとは売りに押された。

 ロンドン市場で、ドル円は再び軟化。ドル安というよりも円高の動き。前日安値を割り込んで、105.07レベルに安値を更新した。ユーロドルは1.17台を一時割り込んだ。前日までのユーロ高・ドル安に調整が入る格好となった。上値は1.1740近辺が重く、1.17ちょうど近辺に押し下げられた。ユーロ円は124円付近が重く、123.20台まで下落している。NY序盤に発表された米ケースシラー住宅価格指数のさえない結果がドル売り・円買いを誘う展開もみられた。ただ、ユーロドルは調整ムードで上値重く推移した。結果としてユーロ円が下落していた。

 NY市場では、ドル安の動きが優勢だった。ドル円は節目の105円を一時割り込んだ。105円ちょうど付近には実需やオプション絡みの買いも観測されたが、反発力は鈍かった。感染第2波の拡大で米景気の先行き不安が強まっており、米経済は期待ほど早く回復しないのではとの見方が強まりつつある。きょうからFOMCが始まっているが、FRBが緊急貸出プログラムを3ヵ月延長し12月31日までとする措置を発表した。ポンドドルは1.29台半ばまで上昇した。EUとの貿易交渉に進展がみられないなかで、慎重なポンド買い姿勢となっている。ユーロドルは1.17台で売買が交錯。やや買いに調整が入っている。欧州での感染第2波が米国ほどではないとの見方がユーロの下支えとの見方があった。

(29日)
 東京市場で、ドル円は一時104円台に下落。ドル円は朝方の取引で一時105円割れ、その後の買い戻しは105.20台までと、安値圏揉み合いとなった。これまでのドル安進行が厳しかったこともあり、下値警戒感がでているが、基調な引き続き下方向となっている。ユーロドルは1.17台前半での取引に終始した。ドル円と同様にドル安進行の速さに警戒感はあるが、反転の動きには至っていない。第2四半期消費者物価指数が弱めに出た豪ドルは、若干売りが出たもののすぐに戻しており、下値はしっかり。もっとも上値をトライする勢いもなく、対ドルで0.7160前後での推移に落ち着いた。

 ロンドン市場は、ドル売りが継続。ドル円は105円近辺での揉み合いを下放れると一時104.80レベルまで安値を広げた。ユーロドルは1.1770近辺、ポンドドルは1.2979近辺、豪ドル/ドルは0.7194近辺まで高値を伸ばした。ただ、その後は調整の動きに。ドル円は105円近辺へと買い戻されている。ユーロドルは1.17台半ばへ、豪ドル/ドルは0.7170近辺へと小反落。そのなかでは、ポンドドルは底堅く高値付近で引き続き取引されている。ホールデン英中銀委員は、イングランド北東部の不動産業者との会談では5月以降の急速な回復が指摘されたとしている。6月の英消費者信用残高は1億ポンド減、減少ペースが大幅鈍化した。欧州株や米株先物はおおむね堅調。NY原油先物も41ドル台半ばへと反発。総じてリスク動向は安定している。米FOMC会合の結果待ちとなって一方向には動きにくい面があったようだ。

 NY市場で、ドル円は上値が重かった。一時104.80レベルまで下落。下値では月末絡みの実需買いも観測され、105円台に押し戻す動きも見られたが、依然として上値は重い。ユーロドルは一時1.18台まで上昇。ポンドドルは一時1.30台に上昇。米国での感染第2波の拡大が続いており、1日の死亡者数も過去最多に増加する中で、米経済は期待ほど早期に回復しないのではとの先行き不安が強まっている。FRBの緩和政策も想定上に長期化することも予想され、市場ではマイナス金利を織り込む動きも出ている状況。午後になってFOMCの結果が発表され、声明は前回の内容をほぼ踏襲し、「ウイルスは著しいリスクもたらす」と指摘した。パウエルFRB議長の会見でも、必要ならなば追加緩和の可能性を示し、大方の期待通りに慎重姿勢は見せたものの、ウイルス感染や財政の動向次第といった雰囲気も滲ませており、期待ほど追加緩和の可能性を強調していない印象も出たのかもしれない。最初はドル売りの反応が見られたものの、急速にドルの買い戻しがみられた。ただ、ドル安の流れに変化はない。

(30日)
 東京市場で、ドル円はやや調整買い。前日海外市場では米FOMC後に一時104.77近辺まで下落する場面があったが、その後は105円ちょうど近辺に戻して東京朝を迎えた。再び104円台を試す動きがみられたものの、動意薄となり105円付近で揉み合った。午後には調整の動きでドル買いが入り、105.30近辺まで上昇。ユーロドルは、前日に2018年9月以来の1.18台をつけたが、東京市場では高値からやや調整されている。押し目は1.1750台まで。ユーロ円は123.85近辺へと上昇し、堅調地合いを維持している。

 ロンドン市場は、ドル買いの動き。NY市場で発表される米第2四半期GDP速報値を控えて調整の動きが入っている。前日に米FOMCを通過したあと、一段のドル安の動きが一服した面も。ロンドン時間には欧州株や米株先物が下落しており、調整色が強い。ただ、7月に入ってからのドル安の大枠からは、はずれていない。ドル円は序盤に105.29レベルまで反発したあとは105円付近での揉み合いに。ユーロドルは1.17台後半から1.1730近辺まで下落したあと、値動き一服。ユーロ円は123.85近辺まで買われたあとは123.35近辺まで売りに押された。原油安などリスク警戒感もみられるなかで、豪ドルも軟調。対ドル0.71台前半、対円75円割れまで一時下落した。そのなかではポンドは堅調。ポンドドルは1.2950割れまで下落したあと、再び1.30台乗せ。ポンド円は136円手前まで下落したあと136.80台へと高値を伸ばした。対ユーロでのポンド買いが目立っている。
 
 NY市場では、ドル売りが再燃している。この日発表の第2四半期の米GDP速報値や米新規失業保険申請件数が米経済の早期回復期待を後退させる内容だったことで、ロンドン時間には売りを一服させていたドルが再び売りを活発化させた。GDPは前期比年率換算で32.9%と予想ほどではなかったものの、過去最大のマイナス成長となった。個人消費や設備投資、住宅投資、輸出が軒並み大きく落ち込んだ。企業の設備投資は3四半期連続で減少。一方、米新規失業保険申請件数は予想ほどではなかったものの、2週連続で増加しており、感染第2波が企業の採用に影響している可能性が示された。トランプ大統領のツイートがドル売りを強めたとの指摘も聞かれる。大統領は「安全な投票が可能になるまで大統領選挙を延期してはどうか」とツイートしていた。ドル円は再び104円台後半へと下落。ユーロドルは1.18台に乗せると1.1845近辺まで上昇。ポンドドルは1.30台後半へと上げ幅を拡大した。ドル安の相手先通貨としてユーロからポンドに乗り換える動きが指摘された。一方、EUとの貿易交渉などへの不透明感も指摘されている。

(31日)
 東京市場は、ドルが一段安。ドル円は104.50割れから104.18近辺まで安値を広げた。週末のタイミングで、短期筋のある程度の買い戻しの可能性があったが、ドル売り基調の根強さが示された格好。ユーロドルは前日の上昇が一段と進んだ。1.1850超えからの昼前には一時1.19台を付ける場面があった。午後に入ると一段のドル安は一服しているが、ドル買い方向への動きは限定的。ドル円は104円台前半、ユーロドルは1.18台後半で推移している。ポンドドルは1.31台乗せから一時1.3143近辺まで買われ、その後も高止まり。ユーロ円は早朝に124.31レベルまで上昇も、その後は123.84レベルまで反落。方向性に欠けた。日経平均は下げ続け、一時600円超安に。
 
 ロンドン市場は、ドル買いが優勢。今週続いたドル安の流れに調整が入っている。米FOMCや米GDP速報値などの注目イベントを通過したことや、週末を控えたタイミングで短期ポジションが巻き返されたもよう。ドル円は東京市場で104.19レベルまで下落したあとは反発の流れ。ロンドン序盤には104.86レベルまで買われた。ユーロドルはロンドン朝方に1.1909レベルまで高値を伸ばした。その後は大台を維持できずに反落、1.1840近辺まで下押しされた。ポンドドルは堅調な動きを維持。ロンドン朝方に1.3145レベルに高値を伸ばしたあとの下げは1.31手前水準までにとどまっている。欧州株や米株先物は堅調な推移。ユーロ圏GDP速報値(第2四半期)は前期比12.1%減と記録的な落ち込みだった。一方でユーロ圏消費者物価速報は前年比+0.4%、コア前年比+1.2%と伸びが回復した。

 NY市場はドルの買い戻しが強まり、ドル円は106円台まで急上昇する場面もみられた。きょうは一時104円台前半まで下落していたが、安値から150ポイント超切り返した格好。ドル買いの直接的な材料は見当たらないものの、月末ということや、感染第2波の中での夏休みシーズンに入りということもあり、ドルショートの整理が出てたのかもしれない。ストップを巻き込んでショートカバーが活発に出たようだ。

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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