ドル円は一時108円台に上昇 原油減産期待でリスク回避一服=NY為替概況
きょうのNY為替市場はドル買いが強まっており、ドル円は一時108円台に上昇する場面も見られた。トランプ大統領のツイッターで、サウジとロシアの減産が期待されるとツイートしたことで、原油が急伸し、米株も買い戻しが加速したことから、市場はリスク回避の雰囲気を一服させている。ドル買いのほか、円安の動きもドル円をフォローしている模様。
新型ウイルス感染もさることながら、サウジとロシアの対立激化による、原油急落も市場の急落を誘発していた。新型ウイルス感染拡大は依然として鎮静化の気配を見せていないが、原油安が解消すれば、相場回復に向けて大きなフォローとなる。
ドル円は21日線が107.65円付近に来ているが、その水準を上回って来ている。さすがに108円台の上値抵抗は強いようだが、目先は21日線を維持できるか注目される。
ユーロドルは下値模索の動き。前日に強いサポートとなっていた1.09ドルちょうどの水準をブレイクし、一時1.08台前半まで下げ幅を拡大した。ユーロに関してはネガティブな見方が少なくない。ECBの量的緩和(QE)強化のほか、財政出動で域内がまとまらず、イタリアやフランスといった南欧は財政規律の緩和を要請しているものの、ドイツやオランダといった北欧の国が難色を示しており、共通点を見出す障害となっているようだ。
来週7日にユーロ圏財務相会合が緊急ビデオ会議を開催する予定だが、再び合意に失敗した場合、ユーロドルは1.07ドルを試す動きも警戒される。
ポンドドルも1.23ドル台に一時下落。ポンドは上値こそ重くなっているもの、底堅さを堅持しており、きょうは1.2475ドル付近まで上昇する場面も見られた。ただ、強い上値抵抗となっている1.25ドルには慎重。21日線が1.2295ドル付近に来ており、その水準を試しに行くか注目される。
英中銀の2000億ポンドの資産購入が始まっており、すでに200億ポンドの英国債を購入している。その一環としてきょうは、少なくとも100億ポンドの社債購入を4月7日から開始すると発表した。英中銀は社債保有を少なくともこれまでの2倍にすることを計画しいる。2016年よりも、かなり速いペースで行われるようだ。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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